ARCジャパンは6月30日、ARCアドバイザリーグループがまとめた市場調査レポート「倉庫管理システムの世界市場動向調査」の概要を発表した。
概要によると、2009年の倉庫管理システム(WMS)市場は不況から厳しい打撃を受けたが、ARCは過去の平均値に比べて成長率は低いものの、WMS市場は成長すると予測している。
WMS市場が最初に不況の兆しを感じたのは2007年で、2008年には、WMSの売上は対前年比で微減となった。システムの導入には数か月かかるため、2008年のサプライヤーの売上は従来から継続していたバックログプロジェクトで維持されていた。
2009年までにこのバックログがなくなり、WMS市場は低迷した。このレポートの主著者でサプライチェーン管理担当のSteve Banker取締役は「市場は過去5年分の成長を失った。2005年のWMS市場規模は2009年より大きかった」と述べている。
市場では売上が低迷したものの、集約化はほとんど行われなかった。保守収入が支えた形となり市場の沈没を防いだほか、ダウンサイジングと賃金削減の組合せがサプライヤーの経済面を支えた。また、SaaSのマルチテナントでホスト型ソリューションが引き続き成長し、2桁の成長を遂げた。