三菱商事は8月24日、カナダの大手エネルギー会社のペン・ウェスト・エナジー・トラスト（PWE社）が所有するブリティッシュ・コロンビア州のコルドバ堆積盆地のシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトに参画することについて、契約を締結したと発表した。
9月中旬に開催予定の取締役会の承認とカナダ連邦政府等の同取得に対する承認で契約が発効する。
契約発効後は、PWE社が所有する当該鉱区のシェールガス資産、在来型天然ガス資産、関連する天然ガス処理・輸送設備の全50％を、新たに設立する三菱商事の在カナダ子会社が取得し、PWE 社と組成する非法人合弁事業体を通じて、開発・生産を推進していく。
PWE社は、北米シェールガス鉱区の中でも屈指の生産性と埋蔵量を有するコルドバ堆積盆地において最大の資産と知見を有している有望なパートナーであり、2006年からシェールガスの試掘作業を実施している。対象となる鉱区のシェールガス資産は約5～8兆立方フィート（LNG 換算約1～1.6 億トン以上）にもおよび、日本の天然ガス年間需要を大幅に上回る膨大な量の埋蔵量が見込まれている。
契約発効後に、当該鉱区でのシェールガス資産の開発を進め、現在の生産量である日量約0.3億立方フィートを引き上げ、2014年で日量約5億立方フィート（LNG換算で約350万トン／年）の生産量（同社持分は50％）を目指す。
同社は今後50年以上の期間にわたり当該鉱区のシェールガス開発と生産をPWE社とともに推進し、三菱商事の持分ガスについて、34％出資する米国のガスマーケティング会社であるシーマ・エナジー社などを通じて北米市場で販売する。
取得費用は、既存資産の50％の取得対価である約2億5000万カナダドル（約201億円）に加えて、今後の開発井掘削費のPWE社負担分の内、約2億カナダドル（約161億円）を追加で負担することとなるため、合計で約4億5000万カナダドル（約362億円）となる。プロジェクトは、今後15年間で累計約数100本～1000本以上の生産井を掘削して開発を進めている。
同期間を通じての事業費は約3000億円（同社負担分）程度を想定しており、それ以降の開発規模や事業費については、順次計画していく。
シェールガスは、近年の技術革新により、低コストで大量に生産することが可能になり、膨大な埋蔵量が世界中で注目されている新しい天然ガス資源。
