ヤマト運輸は9月13日、ことし1月に刷新した基幹システム「次世代NEKOシステム」を活用した新サービスを開始する。
＜次世代NEKOシステム概要図＞
同社は第7世代にあたる情報基幹システム「次世代NEKOシステム」の構築を推進しており、6月に導入済みのセールスドライバー(SD)携行端末「7次NEKO― ポータブル・ポス(PP)」に続き、デジタルデータ化した配送情報やクロネコメンバーズ情報を格納するデータベース・各データベースとアプリケーション間を効率的に連携させるSOA基盤・PPとデータセンター間をリアルタイムに結ぶ軒先クラウドコンピューティング機能の稼動を開始する。
同機能を活用した顧客とのコミュニケーションツールとして、個人客向け「個人ポータルサービス（軒先ネコピット）」の導入、法人客向け「法人ポータルサービス（クロネコマイページ）」の機能拡大
を行い、顧客の要望に応じた新サービスをスタートさせる。
個人ポータルサービス（軒先ネコピット）の導入によって、クロネコメンバーズカードのQRコードをPPで読み取ることで、クロネコメンバーズデータベースにアクセス。顧客ごとのサービスメニューを玄関先でPP画面上に表示します(無料)。
開始するサービスは、らくらく送り状発行サービスとクロネコメンバーズ即時登録。らくらく送り状発行サービスは、事前に登録しておいた住所録(アドレス帳)から「届け先」と「依頼主」をPP画面で選択するだけでその場で送り状が発行できるサービス。
住所録に登録がない場合は、新たに入力することも可能。クロネコメンバーズ即時登録は、PP上で必要事項を入力することで、クロネコメンバーズに登録できる。登録すると、すぐに各種メンバーズサービスの利用が可能になる。
法人ポータルサービス（クロネコマイページ）は、同社と月払いなどの掛売契約を行っている法人客がインターネットを通じて利用できる会員制ページ(無料)。新たに追加となるサービスは、マルチキー荷物検索だ。
顧客が独自に設定した「受注番号」や「店舗コード」などの項目や、「届け先の名前や電話番号」などの項目で該当する荷物を抽出し、配送状況を確認できる。「配達完了」や「不在」などの配送状況から該当する荷物を抽出し、「届け先の名前」などの送り状に記載した情報を確認できる。
荷物検索は、ヤマト運輸のWebページ上に加え、ヤマト運輸が公開するXⅣILによるデータ交換規約を用いて顧客のシステムから直接データ取得できる方法や、ヤマト運輸が提供するWebパーンを組み込むことで顧客のホームページなどから直接問い合わせができる方法もある。
法人客向けに提供している各種サービスメニューは、今後、法人ポータルサービス（クロネコマイページ）に統合していく。
顧客向けのポータルサービスに加えて、「次世代NEKOシステム」では宅急便品質の向上にも貢献する。デジタルデータ化した送り状の情報を「先送リデータ」として配達先エリアを担当するPPへ事前配信し、SDが入力した作業情報と差異が発生した場合はPP上に警告画面を表示する。
これにより、荷物の未着や口割れ、配達指定日の見落としを防止する。口割れは数個で1つと設定した荷物が、別々に届くこと。
