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ケー・シー/倉庫内生産性26%向上

2010年09月13日/IT・機器

ヴォコレクトジャパンは9月13日、ケー・シー(KC)に「Vocollect Voice」が採用されたと発表した。

KCは子会社であるデジタルメディアマートが展開する「DMM.com」のDVD レンタル物流を受託する一方、他グループ会社やグループ外企業のDVD コンテンツ、書籍、ホビー商品など総取扱点数約5万点にのぼる商品の物流全般を手掛けている。

KCは石川県内に約10万㎡の延べ床面積をもつ基幹センターをはじめとする物流拠点を複数有し、全国のレンタルショップや販売店など約4000か所に加え、通信販売による個人向けの出荷を行なっている。

KCの従来の物流業務では、約300名の作業員による24時間3シフトの作業体制で、月間450万点の商品が伝票/ラベルによりピッキングされていた。他の倉庫内業務は高度にオートメーション化されているが、商品や出荷点数の多さと、常に入れ替わる売れ筋や続々投入される新製品のため、ピッキングは伝票/ラベルによる人手に頼らざるを得なかった。

採用される多数の作業員の習熟度には差があり、生産性には大きなばらつきがあるほか、伝票/ラベルでのピッキングは作業ミスが多く発生するため、得意先別ピッキング後のバーコードレジによる検品や、バッチピッキング後の大型ソーター検品が行なわれていたが、その結果発見された1つの作業ミスが他の自動化された業務に影響することが頻発していた。これらの課題のため、生産性と正確性のバランス確保と向上が急務だった。

2009年の夏から音声ソリューション導入の検討を開始し、複数の製品を評価した結果、音声認識性能の高さや実績、営業対応力などから「Vocollect Voice」を選択。5月からトライアルを実施した。トライアルでその効果が確認されたのち、6月から本格導入を開始。7月には稼動を開始した。

現在では、40名の作業員が「Vocollect Voice」の携帯端末「Talkman」を用いて、ピッキング業務を行っている。「Vocollect Voice」の本格稼動により、これまでの伝票/ラベルによる業務フローが大幅に改善された結果、導入後1か月で生産性が26%向上し、伝票/ラベルでおよそ3000件中30件発生していた作業ミスがゼロ件となった。

音声指示により作業員がピッキング作業に集中できるようになり、作業員のトレーニングにおいても音声登録を含めおよそ30分程度に短縮され、当日中には初心者であっても通常レベルの作業を行なえるようになった。

「Vocollect Voice」導入によって、生産性の向上などによる業務改善効果が想定どおりの高レベルであり、早期の投資回収が見込まれている。現場の作業員からも好評を得ており、一部並行して行なわれている伝票/ラベルによるピッキング業務を音声へ切り替えたいという声が出ている。

KCは今後、「ピッキング作業者全員に音声を導入」、「厳重な検品作業の簡素化」、「補充業務への音声の導入」、「新規ビジネスであるポイントオークションへの音声の導入」など、音声ソリューションの導入拡大を検討していく。

KCによる「Vocollect Voice」導入については、9月14日午後1時から東京ビッグサイト会議棟で開催する「”音声中心型”物流ソリューションエグゼクティブ・セミナー」で、導入に携わったヴォコレクトジャパンのパートナーであるニチユMHI 中部が詳しく紹介する。

■物流ソリューションエグゼクティブ・セミナー
http://www.vocollectjapan-online.com/executive-seminar2010.htm

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