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アサヒビール、キリンビール/首都圏の小口配送共同化、CO2約22%削減

2011年06月30日/SCM・経営

アサヒビールとキリンビールは6月30日、東京都の一部エリアでの小口配送の共同化と、茨城県・埼玉県・長野県・静岡県の4県で空容器の共同回収のテストを8月29日から開始すると発表した。

この取り組みにより、年間のCO2排出量を約196t(従来比で約22%)削減する。このうち小口配送面で約38t(従来比約30%減)、空容器回収面で約158t(従来比約20%減)となる。

小口配送の共同化では、両社にとって最大の市場である東京都で配送拠点を相互活用し、配送距離の短縮・積載率の向上・車両回転率の向上を実現することで、環境負荷の低減を目指す。

対象となる商品はアサヒビールはビール類・低アルコール飲料・洋酒・ワイン・焼酎・清涼飲料の6カテゴリーの製品を、キリンビールはビール類・低アルコール飲料・清涼飲料の3カテゴリー。

実施エリアは、江東・江戸川・渋谷・新宿・中野・杉並の6区で、アサヒビール新宿配送センター(渋谷区)から渋谷・新宿・中野・杉並の4区へ、キリンビール東部センター(江東区)から江東・江戸川の2区へ、両社の納品先に共同で配送する。

10月末頃からは、東京都内の他エリアと神奈川県内の一部についても展開を拡大する予定。

また、両社は従来、配送ごとに荷量が少なくても実施していた空容器回収を役割分担する。これにより、回収車の積載効率を向上させるとともに、商品配送後の空き車両に一般貨物を計画配車することで、環境負荷の低減を目指す。

対象空容器は、ビールの空瓶、空樽、飲料の空瓶、炭酸ガスボンベ、パレット。両社の製造拠点が比較的近くにある茨城県と愛知県の工場出荷エリアである、茨城・埼玉・長野・静岡の4県の一部地域からの空容器の回収を共同で行う。

具体的には、両社共通の得意先ごとに回収を役割分担し、それぞれが製品を配送した後、回収を担当する側の会社の車両の帰り便に両社の空容器を積み込むことで、積載効率を約25%向上させる。また、回収を担当しない側の車両の帰り便には別の運送業務を計画的につけることが可能となり、運賃収入増が見込まれる。

アサヒビールとキリンビールは、市場では競合として公正な競争を展開する一方で、世界的に関心が高まっている環境問題に対して、環境にやさしく経済性の高い物流の共同展開を行うなど、「競争と協調」の視点から既存の枠組みを超えた協力体制を構築することで、更なる持続可能な社会への貢献を目指していく、としている。

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