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CBRE/香港の倉庫施設の空室率は1.6%

2012年09月03日/調査・統計

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CBREは9月3日、香港の工業用物件市場の市場概況を発表した。

概況では、物件市場で引き続きほぼ満室状態が続き、特に優良倉庫施設の貸主はさらに賃料を上げてくるとみられている。これが、マージンの低い流通セクターのコストに敏感な借主にプレッシャーを与え、短期的に需要に影響を与える可能性がある。

その先の見通しとしては、工業用物件の賃料は、優良倉庫物件の供給が逼迫する中、上昇傾向を維持。しかし、その上昇率は減速する見込みとしている。

安定した輸出と比較的落ち着いている経済が、物流や工業用物件への賃貸借需要を引き続き支えた。中国本土の消費者による香港での支出が、より安い価格であっても、引き続き小売セクターを後押しし、倉庫施設の需要を押し上げた。

堅調な需要にもかかわらず、倉庫物件の空室は当四半期中0.2%増とやや増加したが、それでも相変わらず1.6%という低い割合を保っている。これは、先にInterlinkへ移転したテナントが退去した物件によるもの。

しかしながら、これらの物件の多くは、既に借り手がついている。例えば、Hanjinが退去したEvergain Centreの5フロア中4フロアは既に他のテナントに賃借されている。

古い工業用物件の再生が続いているため、空き物件への需要は、逼迫を維持する見込み。

ChinaResources Enterprise, Limitedは最近クントン(觀塘)にあるCAC Towerを売却したが、新しいオーナーは当該物件を新しいオフィスあるいはホテル施設への用途転換に意欲的だとみられている。

また、General Garment Buildingのオーナーは当該物件を商業施設へ再開発する。新たな物流施設が市場に出てくるのは2014年になる予定のため、新規供給も非常に限定的なままだ。

堅調な借主需要と逼迫した空室を背景に、工業用物件の賃料は上昇の勢いを維持した。平均倉庫賃料は、当四半期中2.8%上昇し、前年同期比では11.0%の上昇となった。共同施設型工場と工業施設・オフィス両用物件も同様に、前期比で2.7%上昇し、前年同期比ではそれぞれ11.9%、19.8%の上昇となった。

工業用物件全体の賃料は上昇傾向を維持すると予測されるが、外部的な不安定要素が続くようなら、上昇率は減速する見込み、としている。

工業用物件のキャピタル・バリューは、当四半期中プラス成長を見せた。倉庫物件の平均価格は前期比3.1%増で、共同施設型工場ならびに工業施設・オフィス両用物件の四半期成長率はそれぞれ5.4%増、5.1%増となった。価格上昇の多くはカオルーン(九龍)東の物件から生じたもので、再開発の潜在性が価格上昇に反映されている。

なお、工業用物件とは、倉庫、工業施設・オフィス両用、工場・付属の事務所を指している。

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