UPSは4月11日、UPS事業戦略説明会を開き、フレートサービスとアジア市場を強化すると発表した。
<戦略発表する梅野正人UPSジャパン社長>
フレートサービスの強化では、2010年に日本発で提供を開始した米国向け海上輸送サービス「Preferred LCL(プリファードLCL)」が、UPS独自の北米輸送ネットワークを活用し、輸送時間を従来のLCLより最大で40%縮小したという。アジアにも拡大後、2013年3月からは欧州発も追加した。
また、一括通関・輸送サービス「UPS Trade Direct Air(トレードダイレクトエア)」「UPS Trade Direct Ocean(トレードダイレクト・オーシャン)」は、同一国内・複数箇所向けの貨物を1件の貨物として、一括通関、UPS施設を利用し、倉庫や配送センターを経由せずに直送する。
「これらの付加価値の高いフレートサービス提供を強力に推し進めていきたい。LCLレーンは昨年だけで300以上拡大し、現在116か国1700以上のダイレクトLCLレーンを展開している。キャンペーンも行っている」と梅野正人社長。
アジア市場への注力では、今年も引き続いて重視するとして、3月にベトナムでグローバルな国際エクスプレス輸送業者として初の100%子会社化もその一環。ベトナムでの2012年の貨物取扱量は20%超増となったという。
2012年のLCLレーン拡大のうち、半数近くの139がアジアレーンとなっている。その内、中国発が69、釜山~米国が12、ベトナム発、欧米・アジア向けが10となっている。
産業分野では、ヘルスケア事業に力を注ぐとしている。ヘルスケア専用施設を2011年にシンガポール、2012年に中国・杭州、上海に設置。さらに、コールドチェーン専用コンテナ「PhamaPort360」開発で、コールドチェーン部門にも注力するとしている。
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