PTCは2月17日、ジェームス・E・へプルマン社長兼CEOを日本に招いて、ThingWorx社買収の狙いと今後の戦略を語った。
1月15日、PTCはIoT(モノのインターネット)プラットフォーム開発企業のThingWorx社を12月30日付で買収したと発表。PTCの一部門として加えた。
買収の狙いを「IoTプラットフォーム開発で実績のあるThingWorx社を加えたことで、PTC既存のサービスライフサイクル管理(SLM)と製品ライフサイクル管理(PLM)の拡張ポートフォリオを補完する形で、ThingWorxのプラットフォームを用いてIoTアプリケーションを開発すること」とへプルマン社長。
ThingWorx社はこれまでに、ATIの接続された機械情報を利用した特殊鋼生産やsysmexの医療用分析器の遠隔サービス、Deanの接続された乳製品配送トラックで物流管理などのさまざな分野でネットワークのプラットフォームを提供していた。
「ThingWorx社がPTCに加わることで、今後自動化されたSLMサービスの展開や機能拡張が図れることになる。さらに、新たなPTCソリューションの開発も接続と状態監視機能を活用し、製品・サービスに活用できる」としている。
例えば、車なら車を部品単位で監視するセンサーや運転操作のセンサーを付けて統合したデータでとらえるプラットフォームを設けていれば、運転者はもちろん、アフターサービス会社や企業の管理者、燃料会社、顧客、保険会社など、あらゆる形で活用が図られるというもの。
なお、IoT(モノのインターネット)とは、従来は主にパソコンやサーバー等のIT機器が接続されていたインターネットにそれ以外のさまざまな「モノ」を接続する技術の意味。
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの調査では、世界のIoT(モノのインターネット)による経済効果は2025年までに年2.7兆~6.2兆ドルに達し、主に製造業の生産性向上から得られる経済効果は9000億ドル~2.4兆ドル、と報告しているという。