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経団連/産業政策の推進と物流体制の改善・強化は表裏一体

2014年04月18日/調査・統計

日本経済団体連合会は4月2日運輸委員会を開催し、成城大学社会イノベーション学部の杉山武彦教授から総合物流施策大綱(大綱)の評価と今後の物流政策のあり方について説明を受け、意見交換を行った。

杉山教授は大綱に、東日本大震災の教訓を踏まえた「物流における災害対策」が追加されたことや、経団連提言を受け、今後の物流施策が目指すべき方向性として「全体最適な物流の実現」での責任部署や目標の達成時期が明示されたことを評価。

しかし、経団連から要望のあった大綱の施策の方向性や優先順位の明確化については、踏み込み不足となっていると指摘。

物流をめぐる今後の展望では、震災後、日本企業の新興国への海外展開の目的は、生産コストの低減から市場の獲得へと進化しており、新たな業種や中堅・中小企業の海外進出が加速することで従来とは異なる物流ニーズが発生する余地は大きい、としている。

また、アジア等の各種インフラ整備の必要性の高まりを受け、環境・エネルギーや水、交通をはじめ複合的なインフラ・システムの輸出が実現すれば、関連する中小企業の進出が一層進展することとなり、それに伴う物流機能の需要も発生する。こうした動きに対し、国内空洞化を懸念する声もあるが、日本企業の海外進出は日本の経済の成長に不可欠であり、国内での生産活動が国際分業体制に適切に位置づけられることが重要と指摘している。

今後の物流政策のあり方では、物流の普遍的な課題とは、高度化する荷主のニーズに応えるため、輸送や荷役など物流活動を構成する個々の機能の向上あるいは機能の組み合わせの工夫により、全体としての物流を効率化・合理化することにほかならない。

そのための具体的手法としては、「個々の荷主あるいは物流企業による省力化・機械化」、「物流拠点の集約・分散」、「情報化」、「メイク・オア・バイの選択」、「サプライチェーン全体による共同化・標準化」、「インフラ整備」に整理できる。

産業政策の推進と物流体制の改善・強化は表裏一体であり、物流は基本的に産業を支えるものとして機能している。したがって、物流政策も個別企業の取り組みと産業動向を踏まえたかたちで実施されることを原則とすることで、「より高度な最適化」の達成を目指すべきである、としている

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