東洋ゴム工業は3月7日、大災害での経験を再度、全事業所へフィードバックし、今後も災害時における防災・減災に努めていくと発表した。
<2012年に更新したタイヤ物流倉庫 大型避難階段と屋上テラス部分>
東洋ゴム工業の国内主力タイヤ製造拠点である仙台工場は、災害非常用飲料水・食料備蓄を2011年度比、約2倍(2015年度)に充実させている。
また、サプライチェーンが寸断されることによる燃料供給の滞りを追加想定し、一定量の燃料油を工場内に災害用として備蓄する取り組みをおこなっている。
非常用備蓄品は、国内全拠点において、現在、勤務する従業員の3日分以上を備蓄量として定めて展開している。
宮城県の沿岸部の一部物流倉庫は、5年前に津波の直撃を受け被災したが、従業員は、建物屋上へ避難し人的損失を免れている。
その経験を生かし、更新した物流倉庫は、緊急時において一度に大勢の従業員が容易に駆け上がれるよう、大型避難階段を2か所配置、100人程度が待避可能な屋上テラスを備えている。
屋上テラスの高さは、2011年に実際に到達した大津波の高さの約2倍以上あるものの、高さに過信することなく、防災訓練や追加対策を検討実施してきた。
防災に対する従業員への教育訓練は、大災害は昼夜問わず発生することから、一部拠点では、夜間における避難訓練も追加、より実戦的な訓練としている。
大規模災害発生時の行動基準などを記載した「災害対応ポケットカード」を従業員に配布、常時携帯し災害時でも落ち着いた行動を取ることを啓発している。