日立製作所は10月25日、茨城県日立市の大みか事業所で取り組んできた生産改革でIoTを活用した高効率生産モデルを確立し、代表製品において、生産リードタイムの50%短縮を実現したと発表した。
今後は、大みか事業所で製造する他の製品にも高効率生産モデルを適用し、システムの精度と汎用性を高めていく。
顧客やパートナー企業に大みか事業所を公開し、高効率生産モデルを共有することにより、顧客との協創を推進し、IoTプラットフォーム「Lumada」のソリューションコアの一つとして2017年度に提供を開始する。
大みか事業所は、これまでの取り組みを深化させ、2015年からIoTを活用し、EtoE(End to End)の視点でサプライチェーンと工場の生産活動をデジタル化することで、需要の変化に即応でき、人員や部品などのリソ-スを最適配分し、生産全体の最適化と品質向上を図る「Optimized Factory」の実現に向け取り組んでいる。
新たに「作業改善支援システム」と「工場シミュレーター」を導入し、これらと「RFID生産監視システム」と「モジュラー設計システム」をあわせた4つのシステムを連携させることで、人・モノ・設備の情報を循環させる高効率生産モデルを確立した。
具体的には、「RFID生産監視システム」により各工程の進捗を把握し、遅延が発生した工程の対策を検討。
「作業改善支援システム」により作業時間が通常よりも長くかかっている生産工程を検出し、画像分析などにより問題点を可視化し、対策・改善を行う。
蓄積された改善結果は「モジュラー設計システム」を通じて製品設計などに反映。
3つのシステムから得られる生産実績データと納期などの情報をもとにした「工場シミュレーター」による最適な生産計画に基づいて、人員や部品などのリソースを最適に配分することで、生産リードタイムを短縮するとともに、部品の早期入荷を抑制する。
4つのシステムで情報を循環させ、生産計画の進捗把握と対策・改善、その改善結果の製品設計へのフィードバック、より精度の高い生産計画を立案し、更なる改善の実行を繰り返すことで、生産の高効率化を図る。