日野自動車は12月27日、生産供給体制のグローバルな最適化を進めており、国内において工程の再編・整流化を推進していると発表した。
東京都日野市の日野工場から茨城県古河市の古河工場への移転を順次進めており、年明けから古河工場でキャブの生産を開始する。
古河工場では、すでに稼働を始めていたKD工場、アクスル(車軸)工場、車両組立工場、フレーム工場に加え、キャブ工場も稼働を開始することで、予定していた全ての工場が稼働を始める。
今後、車両の種類ごとに、日野工場での生産から古河工場での生産へ切り替えを進め、17年には、大中型車両の全種類・全量を古河工場での生産に切り替えていく。
古河工場は、「多品種少量である商用車を短いリードタイムで生産する」という日野のものづくり改革を具現化する工場。
革新的な生産技術・生産ラインを積極的に導入しており、高効率なだけでなく、量と種類の変動に対してフレキシブルな生産の構えを実現している。
大中型車両生産のマザー工場として、新技術や新工法を手の内化し、海外の車両工場に展開していく役割も担っていく。
古河工場が大中型車両生産のマザー工場となるのに対し、ユニット生産のマザー工場となるのが群馬県太田市の新田工場。
新田工場では、エンジンやトランスミッション、ディファレンシャルの生産工程を集約、一貫生産し、古河工場をはじめとする国内外拠点に供給していくという計画のもとで、16年12月より大型エンジン工場が稼働を開始した。
今後、エンジンの種類ごとに日野工場生産から新田工場生産に順次切り替えを進めていく。
新しい大型エンジン工場は、生産効率の向上を図るだけでなく、中型エンジンにも対応可能な、汎用性の高い生産ラインとし、古河工場同様、量や種類の変動にフレキシブルに対応していく。
これらの生産供給体制の最適化を通じて、生産性と柔軟性の向上や、再編・整流化による物流効率化を図る一方、モジュール化を軸とした適格商品開発とあわせ、多様なニーズを満たす「良い商品」を、より速く顧客に届けていく。