住友商事は8月10日、米州住友商事会社を通じて、米国事業用トラック輸送向けデジタルマッチング型物流ブローカーでの有力企業Transfix,(以下:トランスフィックス社)へ数億円規模の出資を行うと発表した。
トランスフィックス社の事業モデルは、電話とeメールによる多くのコミュニケーションが必要とされ煩雑になりがちな輸送手配や管理業務に、最先端のIT技術により荷主とトラック業者の需給をマッチングさせるだけでなく、業務効率の向上を付加価値として提供するもの。
現在は黎明期ながら2025年には約120億米ドルの市場に成長することが予想されている。
米国のトラック輸送市場は約7250億米ドルという規模を誇り、テレマティクス化やサプライチェーンの可視化需要への対応等のテクノロジーも日々進化している。
一方で、米国トラック輸送市場のうち外部委託する事業用トラック市場(市場規模:約4200億米ドル)では、大半の会社がトラック保有台数10台以下の中小企業で、IT化への対応が遅れており、ドライバー不足やドライバー労務管理におけるデジタル化への対応等の課題を抱えている。
こうした市場環境に加え、タクシー配送サービスによるデジタルマッチング普及の流れがトラックサービスにも広がりを見せており、事業用トラック市場を一変させる可能性を秘めたこの事業モデルが生まれた。
トランスフィックス社は、2013年創業のニューヨークに拠点を置くスタートアップ企業で、この事業モデルをリードする有力企業。
オンライン上のマーケットプレイスを提供するだけでなく、自ら契約当事者として輸送サービスを提供している。
同社が独自に開発したソフトを利用することにより、荷主はPCのみならずタブレット・携帯端末を使って貨物の所在地をリアルタイムに確認し個別分析データ等も活用することができ、トラック業者はドライバーの管理や、業務改善に繋ぐことが出来る。
住友商事は、物流分野をはじめさまざまな分野でIoT技術を積極的に採用し、既存事業の効率化、合理化、並びに新規ビジネス創出に取り組んでいる。
革新的なIT技術でこの事業モデルを推進するトランスフィックス社への出資を足掛かりに、物流分野における先進技術・ノウハウの獲得を目指す。
将来的には、この事業モデルをバリューアップの上、アジアなど世界各国への展開も視野に、物流の革新・効率化に寄与していくとしている。
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