トッパン・フォームズは3月13日、バッテリーレスで簡易センサーとして利用可能な2種類の検知機能付きICラベル、「開封検知ICラベル」と「水濡れ検知ICラベル」を新たに開発したと発表した。
両ラベルはIDのみを取得する従来のICラベルと異なり、IDの取得に加え内部アンテナの断線を検知することで「開封された」「水に濡れた」といったラベルの状態把握を簡便に行うことが可能になる。
これらの機能を活用し、人手をかけて行われる物品の管理業務の効率化や真贋判定業務の精度向上などに貢献する。
「開封検知ICラベル」は内部の検知部と通信部にそれぞれ独立したアンテナを持つICラベル。
ラベルが破損するとアンテナの断線を検知するため、製品の不正開封や真贋判定などが容易となるなど、セキュリティ用途での利便性向上が見込まれる。
なお「開封検知ICラベル」は、NXP Semiconductors社(NXP)のTag Tamper機能を搭載したチップを採用し、多様なニーズに対応する通信距離の異なる2つのタイプを開発した。
UHF帯チップを採用し長距離での複数一括読み取りができるタイプと、HF帯チップを採用し個体管理が可能な近距離通信タイプ。
「水濡れ検知ICラベル」は、基材となる紙に独自技術を用いて導電性のある金属アンテナを印刷配線したICラベル。
水に濡れることで紙の延伸に金属が追従できないことでアンテナが断線し、水濡れを感知する。水気に弱い物品の品質管理やライフケア領域などでの利用を想定している。
なお、トッパンフォームズは検知機能付きICラベルを貴金属や高額な化粧品の物流向けの真贋判定用途に、さらには医薬品の使用/未使用判定を行う物流現場への導入を促進し、簡易センサーを使用した物流現場のIoT化に貢献していく。また検知機能付きICラベルのさらなる高機能化も目指し、開発を続けていくとしている。