帝国データバンクによると、ビバック(東京都品川区)は5月7日、東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。
同社は、2004年5月に設立された建設機械販売・レンタル業者。クレーン車を主力に国内大手メーカー製の建設機械、ダンプ、トラック等を取り扱い、新車販売ではメーカーからの仕入れのほかリース会社、レンタル業者を経由して販売、中古車では土木・建築業者や同業者、オークションなどからの仕入れで販売していた。
販路は東京本社のほか中部支店、東北支店を設け、盛岡、秋田、いわきにも営業所を開設。
国内の需要家にとどまらず、ロシアをはじめ米国、韓国、フィリピンなどにも現地法人を設立し、海外市場開拓に注力していた。
国内にも多数のグループ会社を有し、ドイツの建機メーカーから販売権利を取得してのアドブルー(ディーゼルエンジン浄化用の尿素水溶液)の販売など新たな事業展開にも積極的だった。
大手建機メーカーに勤務していた代表の人脈と経営手腕によって一定の営業基盤を構築、近年は東日本大震災後の復興需要を取り込んで、順調に業容を拡大していた。
2012年3月期の年売上高は約72億600万円だったが、2017年3月期の年売上高は約192億3900万円に達するなど、年商200億円の大台を目前としていた。
しかし昨年末、親密取引先だったPROEARTH(神奈川県厚木市、2017年12月26日民事再生法申請→2018年2月28日破産開始決定、負債約151億8539万円)が破綻し、ビバックへも連鎖的に信用不安が波及。
取引関係において多額の不良債権が発生したことが明らかとなり、金融機関や取引先の警戒感が高まる状況となっていた。近時も余裕のない資金繰りが続くなか、ここに来て今回の措置となった。
なお、関係会社のビバックレンタル(東京都品川区)も、同日破産手続き開始決定を受けた。
負債は、ビバックが債権者約100名に対し約185億円、ビバックレンタルが約10億円、2社合計で約195億円。なお、負債規模としては、2018年に入り2番目の大型倒産となった。