帝国データバンクは1月9日、2025年の全国企業「休廃業・解散」動向調査結果を発表した。
これによると、同期間で休廃業、解散を行った国内の企業は6万7949件。年間最多だった2024年の6万9019件と比較して1.6%減となり、3年ぶりに前年を下回りはしたものの、過去10年で2番目に多い水準となった。
また、同期間に休廃業となった企業のうち、保有資産の総額が債務を上回る「資産超過型」の休廃業が占める割合は、63.4%となり、2年ぶりに前年を下回った。
また、休廃業する直前期の決算で当期純損益が「黒字」だった割合は49.1%。2020年の57.1%をピークに5年連続で低下し、訴求可能な2016年以降で初めて50%を下回る結果となった。
なお、「黒字」かつ「資産超過」状態での休廃業が判明した企業の割合は全体の15.2%で、2年連続で低下していた。2025年の休廃業・解散動向は総じて、足元の物価高や人件費などのコスト上昇を受け、直近の損益が悪化した企業が多い点が特徴となっている。
業種別で見ても、その他を除く7業種すべてで前年から増加。7業種すべてが前年比増となるのは、3年連続となる。
最も件数が多かったのは「建設業」の8217件で、前年比0.7%増となっており、過去10年では2016年以降の8420件に次いで多かった。
また、「運輸・通信業」(715件、1.7%増)では、特にトラック輸送などを中心とした運輸業での増加が目立ち、過去10年で最多を記録している。「製造業」も、2024年の3122件を上回って過去10年で最多件数となっていた。
2025年の休廃業・解散動向は3年ぶりに前年から減少したものの、年間では過去10年で2番目に多い高水準で推移していた。中小企業で休廃業・解散に至る例が増えるなど、2024年と比べ休廃業・解散の「質」も変化していた。
急速に進む物価高や人手不足によるコスト増に加え、設備の老朽化や後継者難といった経営面での課題も背景に、ひっそりと事業を畳む中小零細規模の企業が増加している。
中小企業の支援策が資金繰りから事業再生へ変化するなか、M&Aなどによる「前向きな廃業」も出始めている。これに対し、代表者の体調不良な設備の限界を「潮時」として事業をたたむような廃業も見られた。
余力のある中小企業がサポートを活用して廃業を回避する一方、零細企業は支援から外れてひっそりと市場から消える二極化が進むとみられる。今後は企業に余力があるうちに事業をたたむ「静かな退場」が2025年以上に増加する可能性も示唆される。
休廃業、解散/2025年は過去最多ペース、物流は運輸業で増加


