環境省は6月16日、6月15日に大阪府岸和田市でコンテナ内で発見されたアリについて、特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認したと発表した。
確認されたアリは、ヒアリの働きアリ、有翅アリと蛹(全体で2000個体以上、うち岸和田市では100個体程度)。
当該のコンテナを積載したコンテナ船が中国の蛇口港を6月5日出港し、香港港を経由後、6月12日大阪港に入港し、陸揚げされた。
6月14日、陸路で大阪府岸和田市の事業者敷地に搬入され、15日にコンテナから積荷を搬出する作業中に、事業者がコンテナ内でヒアリと疑わしい大量のアリを発見したため、近畿地方環境事務所に通報。
事業者作業員1名が搬出作業中にアリに2か所刺され、事業者によると、作業員は刺傷部分に腫れと痛みがあったが、医療機関は受診せず、その後、健康上の支障は生じていないという。
コンテナに関して、密閉後に大阪港(大阪市内)に返送後、内部を確認したところ、ヒアリと疑わしいアリが残存していることを大阪市と近畿地方環境事務所が確認。
いずれの発見現場についても、大阪市、近畿地方環境事務所の職員1名が殺虫処理を実施するとともに、周辺の確認を行い、殺虫餌(ベイト剤)と粘着トラップを設置した。
作業中に地方環境事務所の職員がアリに1か所刺され、痛みはあったが治まったため、医療機関は受診せず、健康上の支障は生じていない。
今後、環境省は、関係自治体等と協力して発見地点周辺等を中心に調査を実施し、ヒアリを発見した場合は速やかに殺虫処分するなどの防除を実施する。
なお、大阪市や岸和田市等の関係機関に対して、ヒアリが確認された貨物を搬送したコンテナ管理者、運搬車両等の事業関係者と港湾管理者等に当該生物の混入があったことを周知し、他に混入の恐れがないか、さらなる確認を依頼している
同様のルートで製品を輸入する際に、ヒアリその他の特定外来生物の付着・混入がないよう、事業所、コンテナ保管場所、積み出し港等の状況を把握し、対策についても依頼した。
■ヒアリの防除に関する基本的考え方
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant/boujonituite.pdf