厚生労働省は7月6日、2017年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめ、公表した。
脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況は、請求件数は840件で、前年度比15件の増となった。
業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業、郵便業」188件、「卸売業、小売業」115件、「建設業」112件の順で多く、支給決定件数は「運輸業、郵便業」99件、「卸売業、小売業」35件、「宿泊業、飲食サービス業」28件の順に多い。
職種別(大分類)では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」169件、「専門的・技術的職業従事者」と「販売従事者」98件の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」89件、「サービス職業従事者」36件、「販売従事者」29件の順に多い。
精神障害に関する事案の労災補償状況では、請求件数は1732件で前年度比146件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比23件増の221件であった。
業種別(大分類)では、請求件数は「医療、福祉」313件、「製造業」308件、「卸売業、小売業」232件の順に多く、支給決定件数は「製造業」87件、「医療、福祉」82件、「卸売業、小売業」65件の順に多い。
業種別(中分類)では、請求件数は、業種別(大分類)の「医療、福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」174件、支給決定件数は、業種別(大分類)の「運輸業、郵便業」のうち「道路貨物運送業」45件が最多。
職種別(大分類)では、請求件数は「専門的・技術的職業従事者」429件、「事務従事者」329件、「販売従事者」225件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」130件、「サービス職業従事者」70件、「事務従事者」66件の順に多い。
職種別(中分類)では、請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」222件、48件が最多。
なお、厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況について、2002年から、労災請求件数や「業務上疾病」と認定し、労災保険給付を決定した支給決定件数などを年1回、取りまとめている。
今回は、過去4年間分の裁量労働制対象者に関する決定件数などについても取りまとめた。