信越化学工業は7月25日、米国子会社のシンテック社が、塩から塩化ビニル樹脂(PVC)の一貫工場の新設を開始したと発表した。
場所はルイジアナ州の現有工場に隣接する敷地で、更地での新規工場建設となる。
PVC原料のモノマーにして19億ポンド(86万トン)/年、苛性ソーダで66万トン/年を生産する工場の建設に必要な許可を取得し、第一期目の工事に着手した。
第一期目の工事で増加する生産能力はPVC6.4億ポンド(29万トン)/年、苛性ソーダ27万トン/年。建設投資額は14.9億ドルの見込みで、シンテック社の自己資金で賄う。
完工は2020年末を目指す。第一期工事完了時点の生産能力は、PVC71.4億ポンド(324万トン/年)、苛性ソーダ157万トン/年となる。
シンテック社は、ルイジアナ州のプラックミンでPVCを一貫生産する工場を2008年に竣工させてから、3回にわたり増設・増強を実施し、現在ではエチレン工場の建設も進めている。
その間、世界のPVC需要はほぼ世界のGDPの伸びに沿って伸長してきた。業界の集計によると、PVCの世界需要の規模は2017年に4300万トン/年にまで達している。
PVCの供給能力は需要の伸びほどには増加していないことから、世界的に稼働率は上がってきた。
今後もこの傾向が続くと見込まれ、苛性ソーダについても同様で、2017年の時点で7700万トン/年である世界需要は供給を上回るペースで伸びてきており、その傾向が続くと見込まれる。