富士通、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)の組織Institute for Infocomm Research(I2R)、SMU社、Keppel Logisticsの子会社UrbanFoxの4者は9月13日、物流業界の人手不足解消に向けて、シンガポールで、UrbanFoxに配達員として登録した一般市民が専用のスマホアプリを介して、AIでレコメンドされた最適な宅配を行うクラウドソース配送の実証実験を開始したと発表した。
富士通、I2R、SMUがAI技術を用いて、UrbanFoxのデリバリー・パートナーに対して、最適な宅配や配送ルートをレコメンドするシステムを構築し、宅配の人手不足の解消を図るほか、UrbanFoxはさらなる生産性向上を目指す。
実験では、過去の配送オーダーやデリバリー・パートナーの行動特性と配送実績の相関関係などを分析し、それらのパターンをAIが学習することで、宅配のレコメンド精度を向上させる。
あわせて、デリバリー・パートナーがレコメンドされた宅配に対する選択結果も学習させ、継続的にレコメンドの有効性を検証していく。
各者の技術活用については、富士通が長年の配車計画技術をもとにデリバリー・パートナーによる宅配物の配送計画や効率的な配送ルートの算出を行い、アプリで通知する。
I2Rは配送プロセスの最適化に向けて、独自のAIによる傾向分析や予測解析のアルゴリズムをシステムに組み込む。
SMUはデリバリー・パートナー1人ひとりに最適な宅配を組み合わせ、まとめてレコメンドするAI技術の研究を行う。
今後、4者は共同実証をモデルケースとし、シンガポール内でのさらなる展開とアジア諸国への展開を進めていく方針。
富士通は、共同実証で得られた知見やノウハウを融合し、物流事業者向けに、一般配達員への業務と配送ルートのレコメンド機能をサービスとして提供することを検討していく。
UrbanFoxは、実証結果を踏まえ、同システムの本格導入を検討する。
■実証実験の概要
期間:2018年9月~2019年7月
デリバリー・パートナーの参加人数:30人