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日本郵船/潤滑油の異常をリアルタイムに検知できるシステム開発

2018年11月16日/IT・機器

日本郵船は11月16日、子会社のMTIと共同で、潤滑油中に含まれる水分量の異常をリアルタイムに検知できる高度アラームシステムを開発し、運航船「原町丸」の主機に搭載したと発表した。

<原町丸>
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現在、特許を出願中。潤滑油中の水分量に起因する主機トラブルを未然に防ぐことで、機関予防保全の高度化を目指す。

<異常検知のイメージ>
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このシステムでは、センサーで計測した実際の相対水分量と機関室内の温度・湿度の影響を考慮して推定した適正な相対水分量の差が許容範囲を超えると、水分混入の可能性があると判断し、アラームを発する。一定値ではなく、周囲環境によってアラームを発する値が変化する高度アラームによって、より早期の異常発見を可能にした。

今後は、実船にシステムを搭載し、継続してモニタリングすることで、潤滑油中の水分量に起因する異常を早期に検知し、安全運航を徹底する。また、主機のほか発電機への実装に向けて、センサーからのデータの収集や分析を行い、新たに発電機向けの高度アラームシステムの開発を目指す。

船舶のエンジンを安定稼働させるためには、潤滑油の適正な品質・性状を管理することが重要となる。特に、エンジン冷却水の漏洩や油清浄機などの関連機器の不具合で潤滑油中に水分が多く混入すると、軸受損傷などの大きな事故につながる可能性がある。

従来、油中水分の計測は、船上で潤滑油を定期的にサンプリングし、陸上分析機関で実施していたため、リアルタイムでの把握が困難だった。

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