大和ハウス工業は5月24日、広島市西区の広島西飛行場跡地で産業団地「広島イノベーション・テクノ・ポート」を開発すると発表した。
<産業団地に再開発する広島西飛行場跡地>
大和ハウス工業が広島県で開発する初の産業団地で、事業面積は「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」の4倍となる9万8000m2。
企業の製造施設や物流施設、研究所など大型施設をはじめ、事業展開に沿ったエリア拠点の新設などが可能で、2020年3月に造成工事を完了させ、同4月から建物の建設を着工し、2022年春に分譲を完了させる予定。土地と建物への投資規模は200億円を見込んでいる。
<物流施設の設計・施工から先進技術導入までを一気通貫で提供>
広島イノベーション・テクノ・ポートでは、機能性の高い最適な物流施設や工場を実現するため、AIやロボティクスなど先進技術の導入を促進する方針。物流施設や工場の設計・建設のほか、建設後も倉庫内のオペレーションから自動搬送ロボット、物流の運行管理システムまで一気通貫でサービスを提供していく。
あわせて、BCP対策としてリチウムイオン蓄電池や免震構造、防災備蓄倉庫や炊き出し用のかまどになる「かまどベンチ」などの防災設備・アイテムを提案。建設する施設は、「広島市洪水ハザードマップ(高潮編)」の予想高潮位よりも高い床面高に設計可能で、台風や高波などによる水害を回避できる。
<計画地周辺図>
計画地は、山陽自動車道路「五日市IC」と「廿日市IC」から10kmと近接しており、中国・四国地域に加えて関西、北陸、九州地域へのアクセスも容易なため、物流エリアの広域化・複雑化が進む中でテナント企業のニーズに応えることが可能。広島市中心部からも5kmと、職住近接の就労環境が整っている。
また、中国地域では輸送機関割合の海運比率が全国平均比2倍の21.1%と高く、広島県内の海運着貨物量は増加傾向にあるが、広島イノベーション・テクノ・ポートは広島港から3kmと近接しており、化学工業品や金属などの海運輸送を中心とするテナント企業から市内中心部へのアクセスを主とする企業まで、幅広いニーズを取り込むことが可能だ。
今後は、広島県や広島市と連携しながら積極的に企業誘致を行い、地域の活性化を図っていくとともに、進出企業の福利厚生施設の提案も周辺地に呼び掛けていく。
■広島イノベーション・テクノ・ポートの概要
計画地住所:広島市西区観音新町4-2874-165他4筆
事業規模:200億円を予定(土地と建物)
事業面積:9万8000m2(「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」の4倍)
販売予定面積:8万1000m2
■事業スケジュール
2018年12月:広島県と広島市との基本協定書締結
2019年3月:土地売買契約締結
2019年5月:土地決済、所有権移転
2019年5月24日:造成工事着工、販売開始
2020年3月:造成工事完了(予定)
2020年4月:建物着工開始(予定)
2022年春:分譲完了(予定)