経済産業省は3月5日、新型コロナウイルスの流行に伴う輸出入の遅延等が見込まれることから、新たな特例措置も含め、貿易管理上の注意事項をまとめた。
それによると、輸入関係では、輸入承認証の有効期間が過ぎるおそれのある場合(外為法)について注意事項を挙げている。
新型コロナウイルスの流行に伴う輸入の遅延等により輸入承認証の有効期間が過ぎるおそれがある場合、同有効期間の延長を申請することが可能なので、有効期間が経過する前に申請をお願いしたいとしている。
なお、有効期間が経過した輸入承認証は失効となり、再申請が必要となる。また、外国政府により発行された条約等に基づく証明書等(ワシントン条約に基づき発行された輸出許可証等及びダイヤモンド原石の国際証明制度に基づき発行されたキンバリー・プロセス証明書等)の延長はできない。
関税割当証明書(皮革・革靴)の有効期間が過ぎるおそれのある場合(関税暫定措置法等)についてでは、関税割当証明書の有効期間が過ぎるおそれがある場合、同有効期間を期間満了日の翌日から30日を超えない範囲で延長することの申請が可能なので、有効期間(2020年3月31日まで)が経過する前に申請をお願いするとしている。
輸出関連では、輸出許可証又は輸出承認証の有効期間が過ぎるおそれのある場合(外為法)については、輸出の遅延等により輸出許可証又は輸出承認証の有効期間が過ぎるおそれのある場合、同有効期間の延長を申請することが可能なので、有効期間が経過する前に申請をお願いしたいとしている。
なお、有効期間が経過した輸出許可証又は輸出承認証は失効となり、再申請が必要となる。また、日本国政府等によりワシントン条約に基づき発行された輸出許可証等及びダイヤモンド原石の国際証明制度に基づき発行されたキンバリー・プロセス証明書又は日本商工会議所により発行された特定原産地証明書については、延長はできない。
輸出許可証に付された条件の履行を期限までに行えない場合(外為法)では、輸出許可証に付された許可条件の履行(工作機械の据付報告等)について、2020年6月30日までに履行期限が到来するものについては、一律、2020年6月30日まで履行期限を延長する。
注意として、履行期限延長の対象となる許可条件について、これまで中国を仕向地とするものに限定していたが、中国以外を仕向地とする場合も同様の取扱いとする。
なお、3月5日付で「新型コロナウイルスの流行に伴う貿易管理上の措置について」の一部を改正する規程を制定しており、下記HPより参照できる。
■一部改正規定
https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/index.html