SGホールディングスは5月8日、2020年3月期決算説明と成長戦略について、WEBサイト内で荒木秀夫社長が動画で解説した。
すでに、2020年3月期決算は4月30日に発表済みで、ここでは「ビジネスモデルと成長戦略」「中期経営計画の見通しについて」の2つの項目を成長戦略への取り組みの視点から取り上げる。
まず「ビジネスモデルと成長戦略」では、ターゲット領域を約24兆円の物流業界全体に向けているとしている。そのため、宅配事業領域2.4兆円のマーケットで個数を追わず、物流業界全体をターゲットにすることで、個数に左右されないビジネス展開を目指している。
そのための下支えとなる採算管理面で、「年間13億個の適正なキャパシティを維持することで品質を安定」「適正運賃収受の取組みを継続」「適正人員の配置や生産性向上といった原価管理を実施」「これらすべてをITによる管理で下支えし、安定的な成長を実現」という独自のビジネスモデルを構築。
そして成長戦略では、「GOALの強化と人材の高度化」を最初に挙げている。GOALの付加価値とは、セールスドライバーがつかんだ顧客の物流課題を、各分野のスペシャリストで構成するGOALメンバーが解決するプロジェクトの総称。その施策として、セールスドライバーの感度を更に高め、顧客の気付いていない物流課題を発掘することと、GOALメンバーの専門性を更に高めること、現在300名のメンバーを将来的に700名体制に増強することを挙げている。
2つ目の成長戦略として「トータルロジスティクスの機能強化」を挙げている。グループのさまざまな機能をITを軸に、一体化した事業成長を目指すとしている。その施策が「領域の拡大」。IT武装化した同社のリソースに加え、同業他社・あるいはベンチャー等の異業種も含めた事業連携により領域を拡大する。
また、経営資源の活用として、国内輸送拡充、倉庫オペレーション多機能化、国際一貫物流強化、グローバル事業拡大を進める。さらに、不動産・その他の事業は、トータルロジスティクスを支える付加価値の創出、提案、提供を行い、機能強化を図る、としている。
その機能強化とは、ハブ&スポーク(既存インフラ)とフィジカルインターネットの両立で、宅配インフラの効率化・整備をXフロンティアにより、品質・スピード・環境を整備するというもの。
もう一つが既存インフラに頼らない最適配送。ベンチャー企業と協業し、GPSによるリアルタイムの可視化、AI等の活用による顧客ニーズに合った最適配送を実現する。
グローバル戦略では、戦略を一部見直し、「海外事業」の枠組みの中で取り組んだが、国内事業会社が、自由に海外に進出できる体制・評価に変更した。この事例として、佐川グローバルロジスティクスによる中国Runbow社の子会社化を挙げている。
中期経営計画の3か年計画では、2020年3月期の実績と動向を踏まえ、2022年3月期までの業績見通しを上方修正した。
それによると、2021年3月期の業績予想は売上高265億円増(前期比2.3%増)営業利益30億円増(4.0%増)、経常利益19億円増(4.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円増(2.6%増)としている。
2022年3月期業績見通しでは、2019年4月26日公表の中期経営計画の数字に対し、売上高で170億円増、営業利益で60億円、親会社株主に帰属する当期純利益で35億円増を見込んでいる。
■プレゼンテーション動画
http://www.c-hotline.net/Viewer/Default/SGHDc0f811b5035b171a434f21fc91f28547