経済同友会/ヤマトHD山内会長、物流クライシスからの脱却を提言

2020年06月10日 

経済同友会は6月10日、ヤマトホールディングスの山内会長が委員長を務める、経済同友会「物流改革を通じた成長戦略PT」が、2019年度の提言「物流クライシスからの脱却~持続可能な物流の実現~」を発表した。

<輸送機関別分担率>
輸送機関別分担率

<トラックドライバー需給の将来予測>
トラックドライバー需給の将来予測

それによると、わが国の物流の現状を「輸送形態はトラック中心だが、深刻なドライバー不足。有効求人倍率・平均年齢ともに高い。2028年には28万人ものドライバーが不足するとの見通しも」、「貨物総量は減少しているが、多頻度小口化のため件数は増加」「輸送と無関係な荷待ち時間等の無駄が多く、ドライバーの長時間労働・低所得の要因に。これではドライバーの担い手は減る一方」「2024年以降、「罰則付き時間外労働上限規定」が適用されるため、ドライバー1人当たりの時短の流れがドライバー不足を一層深刻化」と分析。

その上で、踏まえるべき3つのポイントを挙げて説明。それは、「物流を国家戦略として捉える」、「環境への配慮」、「ディーセント・ワークの実現」とし、これを土台・前提とする。

その中での一つ目の視点は、「限られた資源の有効活用と生産性向上」。既存の営業用トラックの生産性向上や自家用トラックの活用に係わる規制改革が必要としている。

具体策として、「共同配送実現のためハードとソフトを標準化する」「翌々日納品・検品レスを標準的な商慣行にする」「共同配送や翌々日納品・検品レスを実現するため、デジタル化の更なる推進とデータの仕様を標準化する」を挙げている。

2点目に、「あらたな労働力の確保」を挙げている。大型免許を有する女性と外国人ドライバーの活用を唱えている。そのためには、女性の声を取り入れ、女性が運転し易いトラックの標準形を示す、外国人ドライバーを「特定技能」の対象として認める、そのための標準的な教育項目を策定する、としている。

3点目に、「実現のための組織形成・人材育成」だ。これは、国家戦略としての機関設立・人材育成が必要だという。そのために、物流デジタル化・標準化団体の設立、デジタル物流人材育成のために産官学が連携することを挙げている。

提言のおわりでは、「実現までの時間軸の短いテーマに絞ったため、目先の28万人のドライバー不足を補うための地道な施策を着実に推し進めていくという内容が中心となった。詳細な試算は「物流デジタル化・標準化団体」に委ねたいが、当PTでは、既存の営業用トラックの生産性向上により15万人、自家用トラックの活用により7万人、大型免許を有する女性と外国人ドライバーの活用により6万人、合計28万人程度の効果を見込むことは実現可能ではないかと考えた。

全ての施策が重要であると考えているが、輸送力への影響が大きいことから、特に「既存の営業用トラックの生産性向上」と「物流デジタル化・標準化団体の設立」を重点施策と位置づけ、具体的な行動に着手したい」としている。

経済同友会 物流クライシスからの脱却~持続可能な物流の実現~
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/200610a.pdf

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