商船三井は10月14日、グループ会社である商船三井内航が運航する、海田バイオマスパワー向け内航専用船「海栄丸」の命名・竣工式が、9月29日に愛媛県今治市の村上秀造船で行われたと発表した。
「海栄丸」は、新発電所のある海田町の「海」の字に、繁栄を願う「栄」を組み合わせたもので、今後の同発電所からの環境に優しい電力の長期安定供給への貢献の願いを込めて、命名。
この船は、自動荷役装置(セルフアンローダー:ばら積み貨物を自動で揚荷する機械式の装置)を搭載する内航ばら積み船であり、火力発電の燃料となる主として木質バイオマス燃料を国内中継基地から海田発電所に向けて定常輸送する。
木質バイオマスは、植物由来の燃料であり、燃焼による二酸化炭素は、大気中から樹木が吸収した炭素が大気中に戻るとの考え方から、大気中の二酸化炭素濃度が上昇しない「カーボンニュートラル」を実現できる燃料とされている。
商船三井グループは、「環境ビジョン2.0」において環境課題に向き合いグループの総力を結集して持続可能なネットゼロGHGエミッションの実現を目指している。同ビジョンでの目標達成に向けた取組みの一つとして、バイオマスをはじめとする低炭素事業への参画に取組んでおり、その一環としてバイオマス輸送をはじめとする再生可能エネルギー関連での事業開発を推進している。
■概要
名称:海栄丸
全長:99.99m
全幅:18.40m
満載喫水:約5.00m
総トン数:約2137トン
載貨重量:約3800トン
貨物艙容量:約4300m3
主機関:ディーゼル内燃機関
航海速力:約11.8ノット
揚荷能力:約1,000m3/h
建造会社:村上秀造船
運航会社:商船三井内航