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アスクル/福岡物流センターの障がい者スタッフが優秀勤労で受賞

2021年11月09日/3PL・物流企業

アスクル100%子会社の ASKUL LOGIST(アスクルロジスト)が運営する福岡物流センターに勤務するスタッフが、 このほど、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の行う「令和3年度障害者雇用優良事業所等表彰」において、 優秀勤労者として「理事長努力賞」を受賞した。

<福岡センターで働く様子と表彰状授与の様子 右側が深川 雅也さん>
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優秀勤労賞を受賞したのは福岡物流センターで勤務する深川 雅也さん。

この表彰制度は、高齢・障害・求職者雇用支援機構が毎年9月の障害者雇用支援月間に、障がい者の雇用促進と職業の安定を図るために開催しているもの。

アスクルロジストは、アスクルが展開するEC事業に欠かせない商品の出荷・配送業務を担い、主要拠点となる全国11か所の物流センターの運営を行っている。

今回、九州全県と中国地方への出荷・配送を担う福岡センターのスタッフ1名が模範的職業人として長期勤続している優秀勤労者として表彰され、アスクルロジストスタッフは、昨年に続き2年連続での受賞となった。

コロナ禍でEC需要の急拡大に伴い、アスクルロジストが運営する物流センターにおいても出荷量が増加している。このような中アスクルロジストでは、アスクルとともに物流センターにおける人手不足と生産性向上という課題解決のため、積極的に高度自動化を進め、物流現場のDXを促進し作業負担の低減に取り組んでいる。 働きやすい物流現場を実現すると同時に、ダイバーシティの取り組みの一環として、障がい者雇用に注力している。

アスクルロジストが障がい者雇用に向き合ったきっかけは、福岡センターで2011年に法定雇用率を満たすために障がい者雇用を開始したものの、短期間で退職してしまった経験から。再び雇用のため特別支援学校を訪問した際に「働く場所を提供するだけでは続かない、向き合う体制がなければ雇用はうまくいかない」という気づきを得て、学校や支援機関、家族、医療といった地域全体で連携した仕組みづくりの確立へ本腰を入れて取り組んだ。

福岡センターでは2012年に特別支援学校から新卒者を採用して以降、 毎年採用を行い、2021年10月時点では、福岡センターの社員292名のうち56名を障がい者社員が占めている。福岡センターにでの障がい者の雇用率は19%、法定雇用率は26%に達し、センター内でのピッキング、 商品補充、梱包、検品、事務など幅広い業務に従事している。応募者に対しての採用率は9年間で100%を実現、定着率は76%に達し、年次の長い障がい者社員はリーダー職に就き、主力のスタッフとして活躍している。

このような雇用を可能にしたのは「障がい者雇用は慈善活動ではなく、 事業活動」であり、「障がい者支援ではなく戦力として育成する」という採用側の強い想いと徹底した協力体制。入社前の「インターンシップ」による事前準備から、入社後少なくとも3年間に渡る「支援会議」などのフォローアップを地道に実践することで、個人のみならず、組織全体の生産性向上という結果を生み出している。

代表的なプログラムのひとつは、入社前の「2か月間事前実習」。特別支援学校と家族を巻き込み、障害の度合いや個人の特性を実習期間中から一人一人把握し、本人に適した訓練メニューを考えたうえ反復して理解を促進するもの。これにより、障がい者は入社後には即戦力として働くことができるようになる。

このほか、入社後に毎日、採用者・本人・家庭との間でやり取りする「コミュニケーションノート」を始めとしたフォローアッププログラムや、一人一人に合わせた成長プラグラム実施の結果、そのプロセスで他の社員も成長ができる土壌が育まれ、生産性の向上に繋がっている。

アスクルロジストはこれからも、重要な戦力としての障がい者雇用を進めるとともに、福岡センターでの雇用事例を全国で展開していく。そして、障がい者スタッフだけでなく、あらゆる社員に対して安心して働ける環境づくりを図り、ダイバーシティを推進していくとしている。

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