海のDXを目指すシーテックヒロシマは5月17日、中国地方を中心に軽貨物輸送を展開するNSBと共同で、船の乗組員向け配送事業の実証実験を実施すると発表した。
実証実験は、5月16日~8月15日にかけて、広島市を起点として、山口県徳山〜広島県福山間で実施。船舶で足りなくなった日用品を指定された時間に着港予定の港へ配送することで、船舶ならではの「住所不定で荷物が届けられない」課題を解決するとともに、発注主や配送業者のオペレーションの簡略化を目指す。
シーテックヒロシマが荷物と運送業者をマッチングし、NSBが当該箇所まで配送する。また、着港できなかった場合は、シーテックヒロシマで保管するか、NSBが別の港へ配送する。
国内輸送の4割強を占める海上輸送では、船舶は遅延によるペナルティを回避するために一年の大半を休みなく海上で過ごすため、生活必需品など最低限の補充も着港のわずかな時間で行わなければならない。一方で、港への配送は住所が不定で時間を融通し難いことから配送を請け負う運送業者が少なく、日用品や必需品、嗜好品の配送による補充は困難となっているため、同実証実験によって届かないことへの不安を解消する。
なお、シーテックヒロシマは、船舶事業に従事する個人・事業者を問わず「荷物が届かない」ことに課題を抱える事業者を募集している。