LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





NEC/物流現場のデジタルツイン実現に向けた新技術を開発

2023年03月02日/IT・機器

NECは3月2日、物流倉庫や工場、建設現場などに設置した多数のカメラ映像をリアルタイムかつ高精度に分析する「アプリケーションアウェアICT制御技術」を開発したと発表した。同機能は、現実空間の活動をデジタル空間に再現する「デジタルツイン」の実現に向けて必要となる。

<新技術による課題解決の仕組み>
20230302nec 520x212 - NEC/物流現場のデジタルツイン実現に向けた新技術を開発

近年、物流・製造・建設などの現場では、業務改革や安全性向上などを目的としたDXの取り組みが加速しており、特に現場に多数のカメラを設置し、行動認識などの高度な映像分析AIを活用して、作業進捗状況や不安全行動などを把握するニーズが高まっている。

こうした現場では、電源・設置場所の制約や多品種少量生産などによるレイアウト変更が発生することも多く、エッジデバイスの小型化や通信の無線化が求められているが、現場の状況変化によって映像分析AIの処理量が増大すると、小型のエッジデバイスでは処理能力が不足したり、クラウドに処理を割り振る場合に大容量の映像データを無線送信する際、カメラ数の増加時や電波状態が悪化した場合に通信帯域が不足することが課題だった。

<重要領域予測技術>
20230302nec1 520x217 - NEC/物流現場のデジタルツイン実現に向けた新技術を開発

<ダイナミック負荷分散技術>
20230302nec2 520x212 - NEC/物流現場のデジタルツイン実現に向けた新技術を開発

今回開発した新技術はこれらの課題を解決するためのもので、大量の映像データの中から分析すべき重要な領域を自動的に抽出する「重要領域予測技術」と、抽出した映像内の領域の重要度やネットワークとコンピューティングの負荷状況に応じて作業現場の端末(エッジデバイス)とクラウドに分析処理を振り分ける「ダイナミック負荷分散技術」という2種類のAIで構成されている。

同技術によって、ICTリソースを効率的に活用することで、多数のカメラを設置した大規模な現場で、リアルタイムかつ高精度に状況を把握して生産性の向上を図ることや、不安全行動に対する注意喚起や回避策を実行することなどが可能になる。

NECでは、同技術について物流倉庫や建設現場などで実証を行い、2023年度中の実用化を目指すとしている。

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース