三井E&Sホールディングスは4月18日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」に取り組んでいたが、今般、NEDOと共同で世界初となる燃料電池(FC)を動力源としたラバータイヤ式門型クレーン(RTGC)の開発とその実証実験に成功したと発表した。
従来のハイブリッド型RTGCには、ディーゼルエンジンなどで構成される発電機セットとリチウムイオン蓄電池が搭載されているが、今回発電機セットをFCや水素タンクなどで構成されるFCパワーパックに置き換え、リチウムイオン蓄電池を大容量化した。これにより、FCパワーパックで発電したエネルギーを全て大容量蓄電池に蓄積し、大容量蓄電池から供給される電力で荷役することができるため、小型なFC で定常運転ができるRTGCを実現した。
また、実際のコンテナターミナルでの荷役を模した実証試験では、クレーンの動作やFCパワーパックの熱マネジメントなどの検証を行い、実作業に適用可能なことを確認した。
今後、同社はNEDO事業の一環で、今回開発したRTGCの実荷役環境下での稼働状態の安定性などを検証する実証事業を米国・ロサンゼルス港において実施する。これらの取り組みにより、港湾荷役機器分野における温室効果ガスの排出量削減に貢献する。