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三井不動産/総投資額1兆円へ、物流課題解決へDX特化組織も新設

2023年04月18日/物流施設

三井不動産は4月18日、都内でロジスティクス事業について記者説明会を開催、現在の物流施設開発について総括するとともに、2024年問題をふまえた新たな取組みやDX戦略、新規開発物件等について説明した。また同日、同本部内に「イノベーション推進室」を新設。物流コンサルティングプラットフォーム「MFLP&LOGI Solution」を提供開始することを明らかにした。説明会はハイブリッド形式で開催され、会場33名、オンラインで20名が参加した。

<三木孝行 ロジスティクス事業本部長>

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登壇者は三木孝行ロジスティクス事業本部長。これまでの開発物件について総括した。2022年度竣工物件は、同年7月に竣工した東京レールゲートEAST、MFLP東名綾瀬など7件。今年度はさらに4物件が竣工し、2023年3月末時点における施工済物件は44物件、総延床面積は約370万m2となる。さらに今後、国内新規6物件の開発を決定しており、国内外開発施設は62物件、延床面積約530m2、累計総投資額約8500億円に事業拡大、2023年度中には約1兆円に達する見込み。

<開発施設数、総延床面積の推移(各年度)>

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また旗艦物件として、2024年9月に竣工予定のMFLP・LOGIFRONT東京板橋を紹介した。同物件は都内最大級(約25万m2超)の物流施設として日鉄興和不動産とともに開発しており、板橋区・ヤマト運輸と災害に関する4者基本合意書を締結。次世代型街づくり型ロジスティクスパークを目指している。また河川上空を配送網ととらえ、ドローン配送なども視野に入れたプロジェクトを推進している。三木本部長は「ドローン配送は抜本的な解決になるのではないかと期待している。将来を見据えた大きな課題解決になるのでは」と期待をよせた。

<2024年問題をはじめ諸課題解決に資する施策>

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ロジスティクス事業における主な施策としては、「サスティナビリティ」と「DX」に関する取組みを挙げた。このうち「DX」に関しては、テクノロジーを活用し物流事業をイノベーションすることで、EC市場の拡大や2024年問題、人手不足など物流業界の諸題解決に向けて本格的に踏み出す。

その1つが、ロジスティクス事業部内に新たに設置した「イノベーション推進室」だ。三木本部長は「2024年問題、ECの隆盛で人手不足が加速し、ますます社会インフラとしての重要性が高まっている。単にハコを建てて床を貸すだけでなく、社会のために事業を行うこともデベロッパーとしての責務だ」とし、DXによる省力化・機械化ニーズに特化した専門部署として設置。顧客の課題解決や物流戦略策定を、ハード・ソフト両面からサポートする。

<新サービス「MFLP&LOGI Solution」提供開始>

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具体的には、物流コンサルティングプラットフォーム「MFLP&LOGI Solution」を提供し、顧客の課題を洗い出し、同社が連携する約50社のサポート企業の最先端技術を結びつけることで、最適なソリューションを提案する。サポート企業は、同社が投資するスタートアップ企業(Gaussy、Hacobu等)のほか、幅広く連携。同推進室は9人でスタート、ロジスティクス本部全体では95人体制となり「英知を結集し、社会問題解決を目指す」とした。

また、自動化機器を導入した「EC特化型物流センター」の開設を進める。同社は2022年11月に、三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall(アンドモール)」の物流拠点として、自動化機器を導入した「EC特化型物流センター」をMFLP船橋III内に開設し、自社利用を開始した。今後、他のEC事業者に対して同拠点の共同利用を提案することも検討しており、「できれば固定賃料ではなく、従量課金制で賃金を決めていくようなシステムにできないか。大きな課題だと思うがトライしたい」と意欲をみせた。

<「EC特化型物流センター」を開設>

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さらにサスティナビリティに関する取り組みでは、全物件の屋上に太陽光発電設備を設置。近年、テナント側においても意識が高くなっているため、共用部でのグリーン化を図っており、2023年度中に全施設の共用部供給電力100%グリーン化と外部認証を100%取得を目指す。

<新規開発物件の紹介>

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今後新規に開発を予定している6物件も発表した。このうち、MFLP船橋南海神では、冷凍冷蔵倉庫にもトライする予定。またMFIP海老名は、研究所やオフィス入居を予定したマルチユースの複合施設として開発する。またマンションや温浴施設を備え、住民や施設入居者が利用できるものとする計画だ。

■新規物件概要
「MFLP船橋南海神」
所在地:千葉県船橋市
アクセス:京葉道路「船橋」IC500m
JR京葉線「二俣新町」駅徒歩22分
敷地面積:1万112m2
延床面積:2万570m2
規模:地上4階建/BOX型
着工:2025年7月(予定)
竣工:2027年1月(予定)

「MFLP入間I」
所在地:埼玉県入間市
アクセス:圏央道「入間IC」300m
西武鉄道池袋線「入間市」駅3.6km
西武鉄道池袋線「入間市」駅発 西武バス「船久保工場前」停留所 徒歩3分
敷地面積:4万1058m2
延床面積:9万416m2
規模:地上4階建/ランプウェイ型
着工:2024年3月(予定)
竣工:2025年7月(予定)

「MFLP入間II」
所在地:埼玉県入間市
アクセス:圏央道「狭山日高IC」4.4km
西武鉄道池袋線「元加治」駅 徒歩21分
西武鉄道池袋線「仏子」駅発 西武バス「樋ノ上」停留所から徒歩3分
敷地面積:3万2299m2
延床面積:6万5158m2
規模:地上4階建/スロープ型
着工:2025年2月(予定)
竣工:2026年6月(予定)

「MFLPつくばみらい」
所在地:茨城県つくばみらい市
アクセス:常磐道「谷田部IC」4.0km
圏央道「つくば中央IC」6.0km、「常総IC」9.0km
つくばエクスプレス線「みどりの」駅 徒歩15分
敷地面積:4万1800m2
延床面積:9万6501m2
規模:地上5階建/ランプウェイ型
着工:2023年6月(予定)
竣工:2025年2月(予定)

「MFLP尼崎I」
所在地:兵庫県尼崎市
アクセス:阪神高速3号神戸線「尼崎西」出入口1.2km
名神高速「尼崎IC」4.5km
阪神電鉄本線「出屋敷」駅 徒歩10分
敷地面積:1万6696m2
延床面積:3万5932m2
規模:地上4階建/BOX型
着工:2024年1月(予定)
竣工:2025年5月(予定)

「MFIP海老名」
所在地:神奈川県海老名市
アクセス:圏央道「海老名IC」2.8km
小田急線相鉄線「海老名」駅 徒歩9分
JR相模線「海老名」駅 徒歩11分
敷地面積:2万9150m2
延床面積:4万40m2
規模:地上4階建/BOX型
着工:2025年3月(予定)
竣工:2026年6月(予定)

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