伊藤忠商事は5月29日、世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるフィンランドのNeste社と、同社が生産するリニューアブルディーゼル「Neste MY Renewable Diesel」の日本国内での流通拡大に向けて、商標ライセンス契約とブランディング強化に関する協業契約を締結したと発表した。
<Neste社 Katja Wodjereck (Ms.) EVP Renewable Road Transportation(前段左)、伊藤忠商事 田中アジア・大洋州総支配人(前段中)>
リニューアブルディーゼルは、既存の流通インフラ・内燃機関を活用しながら排出削減を可能にすることから、運輸業界や建設業界での有効な排出削減施策として活用が大きく期待されている。
Neste社は、今後さらなる需要が見込まれる再生航空燃料であるSAFやリニューアブルディーゼルの生産拡大を計画しており、現在の生産能力330万トン/年を、2024年初頭までに550万トン/年、2026年末までに680万トン/年へ増強する予定で、Neste社の安定した供給実績や優れた製品品質は、日本の顧客からも高い評価を獲得している。
今回のライセンス契約に基づき、伊藤忠商事はリニューアブルディーゼルの輸入基地を確保し、タンカーでの輸入を2023年度下期から開始する。また、供給エリアについて、現在の首都圏と中京圏から、2025年開催の大阪・関西万博を機にリニューアブルディーゼル利用の機運が高まる関西圏まで拡大させる。
伊藤忠商事は、2021年5月にファミリーマートの店舗向け配送トラックの代替燃料として、国内初となるリニューアブルディーゼルの商用利用を実現しているほか、伊藤忠エネクスと連携してリニューアブルディーゼルの配送や給油所整備など供給網の拡充を進めてきた実績がある。