国土交通省は8月21日、中・長距離フェリーのトラック輸送に係る積載率の動向を調査し、その結果を公表した。
それによると、積載率にまだ余裕のある航路もあり、荷主・物流事業者は、今後のモーダルシフト推進に向けた検討に活用するよう呼び掛けている。
<中・長距離フェリーのトラック輸送に係る積載率動向(2023年1~3月)>
<中・長距離フェリーのトラック輸送に係る積載率動向(2023年4~6月)>
ちなみに積載率70%未満であった航路は、2023年1~3月:阪神~北海道(上り下り)、阪神~北四国(上り下り)、北四国~北九州(上り下り)、京浜~北九州(上り下り)、阪神~中九州(下り)、阪神~南九州(上り下り)、2023年4~6月:北陸~北海道(上り下り)、阪神~北海道(上り下り)、阪神~北四国(上り下り)、北四国~北九州(上り下り)、京浜~北九州(上り下り)、阪神~中九州(上り下り)だった。
なお、2023年6月2日に、我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議が取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」において、「トラック長距離輸送から鉄道や船舶へのモーダルシフトを強力に推進し、最適なモードを活用したモーダルコンビネーションの展開を図るために、~(中略)~フェリー積載率についての定期的な調査・荷主企業等への情報提供を行い、利用可能な輸送力について周知することにより、鉄道や船舶の利用促進及び積載率の向上を図る」とされている。
これを受け、国土交通省海事局では、中・長距離フェリーのトラック輸送に係る積載率の動向を調査したもの。この調査は、中・長距離フェリー航路について整理し、事業者へのアンケート調査により、対象期間中(今回は2023年1~3月及び4~6月)のトラック輸送に係る積載率動向の概算値を算出したものであり、今後も随時調査を実施してその結果を公表していくとしている。