国土交通省は10月4日、国際海事機関(IMO)の第9回貨物運送小委員会(CCC 9)が9月20日から29日にかけて開催され、その結果を公表した。
今次会合では、液化水素の海上運送に係る国際基準について審議が行われ、我が国の提案をもとに基準の改正案がとりまとめられた他、船舶における水素やアンモニアの燃料利用の安全基準について検討された。
液化水素運搬船の暫定勧告の見直しでは、我が国は、水素サプライチェーンの構築に向けた液化水素運搬船の商用化の動きを踏まえ、これまで小型の船舶にのみ対応していた液化水素の海上運送に係る国際基準(ばら積み液化水素の運搬に関する暫定勧告)を大型の船舶にも対応させるための基準改正をIMOに提案し、議論を主導してきた。
会合では、我が国が、有志国等からなる非公式通信作業部会でとりまとめた基準の改正案が審議され合意された。この改正案は来年春に開催されるIMOの第108回海上安全委員会(MSC 108)において採択される予定。
代替燃料の安全ガイドラインでは、国際海運からの温室効果ガスの排出削減のため、水素やアンモニアを燃料とする船舶の開発が我が国を含め世界中で進められており、IMOにおいてそれらを燃料とする船舶の安全ガイドラインの検討が行われてきた。
会合では、我が国は、水素やアンモニアのリスク及び特性を考慮しつつ安全性を確保することを前提として、「1.設計上に自由度を持たせること」、「2.実現することが可能な規則とすべき」との観点から、具体的な規則案に関する文書を提出。
審議の結果、我が国提案の内容等が合意され、会期間通信作業部会を設置して、来年9月に予定されている次回会合(CCC 10)に向けて引き続きガイドライン案を検討することとなった。
国交省/IMOの貨物運送小委員会でアンモニア燃料船舶の安全基準案合意