国土交通省海事局安全政策課と検査測度課は9月26日、国際海事機関(IMO)の第10回貨物運送小委員会(CCC 10)が9月16日から20日にかけ、開催されたと発表した。
会合では、アンモニアを燃料とする船舶の安全基準案が合意された。
国際海運からの温室効果ガスの排出削減のため、アンモニアを燃料とする船舶の開発が我が国を含め世界中で進められており、IMOにおいてそれらを燃料とする船舶の安全ガイドラインの検討が行われてきた。
会合では、これまでの会合で結論が出ていなかったアンモニア漏洩検知器の閾値や毒性エリアの範囲の設定方法等について審議が行われた。審議の結果、安全性を確保することを大前提とした上でアンモニア特有のリスクや特性を考慮しつつ実現可能性を踏まえた修正を加え、ガイドライン案を最終化した。このガイドライン案は承認手続きのため上部委員会であるIMOの第109回海上安全委員会(MSC 109)(今年12月開催予定)に上程される。
また、液化ガスのばら積み運送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則(IGCコード)の改正案が合意された。
船舶による液化ガス物質のばら積み運送に関しては、IMOにおいて1983年に策定されたIGCコードにて、構造・設備要件が定められている。同コードは、2021年5月のMSC103において改正審議の実施が合意され、2022年のCCC 8より審議が行われていた。
会合では、我が国のCCC 8における提案に基づく保守点検以外に通常人が中に入らない空所の換気要件や、浮体式液化ガスの貯蔵・再ガス化設備(FSRU)の配管に係る基準などを取り入れたIGCコードの改正案が最終化された。この改正案は、今後MSCでの承認・採択の後、2028年1月1日に発効する予定だ。