コベルコシステムと日立ソリューションズは10月10日、SAP S/4HANA を利用している企業向けのコンプライアンスや海外子会社へのガバナンスを強化するソリューションの共同開発に向け、協業することを同日合意した。
<HI-KORTと安全保障貿易管理ソリューションの連携イメージ>
コベルコシステムの製造業向けに SAP S/4HANA をカスタマイズしたERPテンプレート「HI-KORT」と、企業の輸出管理業務を支援する日立ソリューションズの「安全保障貿易管理ソリューション」を連携し、製造業の標準業務フローにおいて、安全保障貿易に関する審査・判定業務をシームレスに連携し、提供することをめざす。
コベルコシステムと日立ソリューションズは、製造業の企業にとって欠かすことのできない輸出管理業務において、SAP S/4HANA の標準を補完する機能を提供することで、今後も企業のグローバルサプライチェーンのリスク低減に貢献していくとしている。
なお、SAPのERP製品は、充実した機能と多岐にわたる対応業種により、国内外で多数の企業が導入しているERPパッケージ。また、昨今、企業のグローバル化や国際情勢の不安定化、自由貿易協定の複雑化などに伴い、企業のコンプライアンス経営において、安全保障貿易管理の重要性が高まっている。企業では、専門知識やスキルの習得、事務処理の効率化、法令遵守などが課題となっている。
コベルコシステムは、製造業および工事業への豊富な導入経験や知見を活かし、製造業・工事業に特化したテンプレート HI-KORT(ハイコート)を開発し、提供してきた。しかしながら、製造業に欠かせない製品輸出入の管理において、日本国内の制度や運用に沿ったカスタマイズが増大していることが課題となっていた。
日立ソリューションズは2016年から製造業や商社などで培った輸出管理業務の知識、海外グループ企業への導入実績、システム連携のノウハウを蓄積している。そのため、実績ある日立ソリューションズのシステムを標準機能として追加することで、企業がコストをかけずに短期間で導入できるよう、このたび、両社の知見やノウハウを連携させたソリューションの提供に向け、協業することになったもの。