SAPジャパンは10月16日、エージェンティックワークフローを活用し、企業がサプライチェーン全体を予測・最適化できる新ソリューション群を発表した。
これには、サプライチェーン全体を横断的に可視化・最適化する新製品「SAP Supply Chain Orchestration」や、計画・物流・調達を高度に連携させるAI機能の強化などが含まれる。SAPジャパンはこれらのイノベーションを通じて、企業が不確実な環境下でも事業の継続性と競争力を維持し、持続的な成長を実現できるサプライチェーン構築を支援する。
このソリューションは、サプライチェーン上の潜在的なリスクを早期に検知し、企業固有のネットワーク構造に応じて影響を分析、最適な対応をAIとエージェンティックワークフローにより自動的に提案・実行するもの。これにより、計画、物流、調達、生産といった各プロセスをまたいで、統合的かつ迅速な意思決定を実現する。
SAP Business Technology Platform(SAP BTP)上に構築され、SAP Business NetworkやSAP Business Data Cloudと連携することで、サプライチェーン全体にわたる可視性を確保する。これにより、一次から下位の取引先までを含む複数階層のデータを統合的に分析し、外部・内部のリスクシグナルを優先度の高いアクションへと変換。複雑化する取引環境の中でも企業が持続的に成長できるよう、業務効率化や法令遵守、顧客満足度向上を支援する。
さらに今後は、SAPの生成AIアシスタントであるJouleとの連携も予定されており、サプライヤーコンプライアンスの管理や顧客対応の最適化、収益リスクの低減を支援する。
SAP Supply Chain Orchestrationは、2026年上半期の提供開始を予定している。
SAPジャパンはまた、新ソリューション「SAP Logistics Management」を発表した。このソリューションは、これまでSAP Extend Warehouse Managementで提供していた大規模物流拠点の業務を補完するもので、中小規模の地域・ローカル拠点の物流業務と統合的に管理することで、多層型の流通ネットワーク構築を支援する。
SAP Cloud ERP およびSAP Business Network for Logisticsと連携し、在庫・出荷・パートナー情報を一元管理できる。AIによる意思決定支援を通じて、エンド・ツー・エンドの物流業務のサイロ化を解消し、荷主、3PL、配送業者など物流業務を支えるエコシステム全体での協業を促進する。
このソリューションは、2026年第1四半期に提供開始予定だ。
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