ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)と、Hacobuおよびレスターエレクトロニクス(レスター)は、エッジAI技術の活用により、物流倉庫の荷物積み降ろし場(バース)における作業効率向上を実現するサービスを開発し、11月より提供開始した。
このサービスは、運送トラックによる荷物積み降ろし場の利用実績の取得や作業時間の計測を自動化することにより、ドライバーの不要な待ち時間および倉庫内従業員の作業時間の短縮に寄与する。
エッジAI技術を活用したソリューションの開発/運用を支援するSSSのエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」と、Hacobuの提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」、レスターが開発したトラックのナンバープレート検知/認識結果と予約情報との照合判定を行うアプリケーションを組み合わせ、システム統合することで実現した。
AI機能を搭載したエッジデバイスにより、運送トラック車両のナンバープレートを検知/認識することで、入退出情報を受付/記録し、MOVO Berth上のUI画面に作業開始および終了の実績データを自動反映。従来は管理困難だった荷物の積み降ろし時間の実績データを取得できることに加え、手入力による申告で起こりがちな入力忘れや間違いを防ぐことができる。
また、MOVO Berth上に予約情報が無い車両についても、照合判定アプリのログとして実績データの取得が可能。さらに、取得データを分析することにより、ドライバーの不要な待ち時間や作業時間の短縮に貢献することができる。
3社は、三井倉庫サプライチェーンソリューション(MSCS)からの課題提起と解決に向けた要件を共に作り上げ、千葉拠点における実証実験を経て、11月より同拠点で正式にサービス導入したもの。
2024年度より改定される働き方改革関連法の改正に向けて、物流業界における生産性の向上は喫緊の社会課題となっている。今後3社は、さまざまな荷主や物流・運送企業への展開をめざし、業界全体の効率的かつ持続的な物流オペレーションの構築を後押しするとしている。