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花王/鎌倉市でのプラ包装容器回収で「自主回収認定」所得

2024年03月05日/SCM・経営

花王とグループ会社の花王ロジスティクスは3月5日、2024年3月に経済産業省、環境省より、花王の事業場および鎌倉市で実施しているプラスチック包装容器の回収において、「製造・販売事業者等による自主回収認定」を取得したと発表した。一般消費者を対象とした製造・販売事業者としての認定は初めてとなる。

この認定は、2022年4月1月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)の措置事項のひとつ。認定取得により、廃棄物処理法の業許可なく、使用済みのつめかえパックを花王グループ内と鎌倉市で回収することが可能となる。

<花王の茅場町事業場に設置している回収ボックス>
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花王は、プラスチック包装容器の資源循環型社会の実現をめざし、自治体や企業等と連携して日用品の使用済みプラスチック包装容器のリサイクルの実証実験を展開している。

実証実験では、使用済みのつめかえパックやボトルを回収し、再度容器にする水平リサイクルの技術開発を行っており、2023年5月には、再生材料を一部に使用したつめかえパックを開発、製品化している。

<リサイクルつめかえパックができるまで>
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現在、日本では家庭から出る使用済みのプラスチック包装容器は、自治体が定めたルールに沿って「一般廃棄物」として処理されている。主な処理方法は2つあり、燃えるごみとして一括回収し熱回収または単純焼却するという方法と、資源物として分別回収し容器包装リサイクル法に沿ってリサイクルするというもの。

「廃棄物」については、適切に処理されるよう「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が定められており、使用済みのプラスチック包装容器を「廃棄物」として取り扱う場合は同法の対象となるため、許可を持った事業者でなければ回収することができない。

そのため花王は、花王が分別回収する日用品の使用済みプラスチック包装容器を、「廃棄物」ではなく「有価物」として取り扱うことを認める自治体でのみ、回収の実証実験を展開している。

花王が自主回収認定を取得した鎌倉市では、使用済みつめかえパックを「有価物」として回収し、回収拠点から集約拠点へ移送後、花王の和歌山研究所のリサイクルパイロットプラントで再資源化する予定。

また、花王のグループ会社で物流を担う花王ロジスティクス等による既存の事業場間輸送便を活用することで、輸送コストや環境負荷を削減する計画で、今後、同スキームを他地域へも取り組みを拡大し、自治体や企業とリサイクルにおける連携を推進していくとしている。

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