DJIは、ネパールのドローンサービス会社Airlift、映像制作会社8KRAW、公認山岳ガイドと協力し、エベレスト山で世界初の輸送ドローンの試験飛行を成功させた。
4月に行った試験飛行で、酸素ボトル3本、物資1.5kgをベースキャンプから第1キャンプ(海抜5300~6000m)まで空輸し、復路ではゴミを持ち帰った。
<キャンプ間の往復輸送>
試験には、2024年1月に全世界で発売された、エベレストの極限の高度・環境条件下でも15kgの積載量を運べる「DJI FlyCart 30」を使用。
ベースキャンプと第1キャンプの間は氷瀑に隔てられ、ヘリコプターでも機材・ゴミの往復輸送は可能だが、危険とコストが大きいため滅多に使われることはなく、ドローン輸送を試みた。
従来、エベレストでの物資の輸送やゴミの撤去は現地ガイドの責任だった。酸素ボンベ、ガスボンベ、テント、食料など物資の輸送のため、シーズン中30回以上氷瀑を渡ることもある。
輸送ドローンなら昼夜を問わずキャンプ地間を往復でき、命の危険もあるガイドの負担を軽減できる。
<ドローン技術で清掃の負担軽減に期待も>
エベレストの登山シーズンは4月と5月に限られ、それ以外は悪天候のためドローンテストも制限されている。試験成功を受け、ネパール政府は地元のドローンサービス会社と契約し、5月22日からエベレスト南斜面でドローンによる輸送業務を開始したという。