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アマゾン/相模原の新物流センター公開、神奈川への投資は総額8300億円に

2024年08月20日/物流施設

アマゾンは8月20日、今年4月に稼働開始した神奈川県相模原市のフルフィルメントセンター(FC)、「Amazon相模湖FC」の内部を初めて報道陣に公開した。

合わせて、2013年に県内で最初のFCを小田原市で開設して以降、2016年に川崎市で2か所、2022・2024年に相模原市で2か所と展開してきて、インフラ整備や給与等の運営費を含めアマゾンの神奈川への投資は2010~2023年で総額8300億円に上ると発表した。2023年単年では1500億円以上の投資だという。

<Amazon相模湖FCの外観>20240820amazon1 - アマゾン/相模原の新物流センター公開、神奈川への投資は総額8300億円に

<左から熊澤純氏、原祐介氏>20240820amazon2 - アマゾン/相模原の新物流センター公開、神奈川への投資は総額8300億円に

公開にあたり、アマゾンジャパンの原祐介 JPFCオペレーション事業部統括本部長は「アマゾンの継続的な物流分野への投資は神奈川県全体の経済発展に貢献してきた。間接的な働く機会の創出にもつながっている」と説明。

また熊澤純 相模湖FCサイトリーダーは「FCはアマゾンの心臓部。豊富な在庫と需要予測、人が歩いて商品を取りに行くのではなくロボットが棚を持ってくる最新のアマゾンロボティクスが特長」とアピールした。

発送先は全国にわたるが、神奈川は首都圏への迅速な配達を実現するうえで重要な立地だという。

<保管エリア。棚を持ち上げロボットが通路を自走する>20240820amazon3 - アマゾン/相模原の新物流センター公開、神奈川への投資は総額8300億円に

相模湖FCは5階建てで、延床面積は約15万m2(東京ドーム3個分)。商品保管容量は約150万立方フィートに上り、1日約65万個の商品の入荷・出荷を扱えるのは国内最大規模となる。

約3000のドライブ(ロボット)と3万5000個ものポッド(専用の商品棚)が稼働するが、格納スペースの効率化により、従来の固定棚と比べて最大約40%も多くの在庫が保管できる。

このアマゾンロボティクスの特長は、商品棚の下にロボットが入り、棚を持ち上げてFC内を移動。さらにピッキングする作業者の元まで来てくれる点だ。

作業者は移動することなく画面の指示に従って棚出しすればよく、どのケースにピックした商品を入れるのかもライトアップで示されることで、時間短縮とともに作業ミスを防ぐ。

<梱包は最適な資材で>20240820amazon4 - アマゾン/相模原の新物流センター公開、神奈川への投資は総額8300億円に

梱包の際は、作業者が商品をスキャンすると、適切なサイズの梱包材が提案されるシステムになっている。よりコンパクトに梱包できるだけでなく、箱より封筒が選ばれることもあり資源削減につながっている。

<発送準備>20240820amazon5 - アマゾン/相模原の新物流センター公開、神奈川への投資は総額8300億円に

梱包後、専用の機械で住所ラベルが貼られた商品は、配送先ごとにカゴ車に集められ、トラックへと運ばれる。荷物が「すべり台」を自重で降りてくるのも省エネ策の一つだ。

なお、アマゾンはこれまで日本国内に25か所以上のFC(物流拠点)、50か所以上のデリバリーステーション(配送拠点)を整備してきた。

原氏は「『Amazon』に出品する神奈川県の販売事業者は9000社以上あり、その多くが中小規模。海外向けECを支援するなどして2023年の販売個数は前年比10%増となっており、顧客にも販売事業者にもお役に立てているのでは」としている。

■施設概要
名称:Amazon相模湖フルフィルメントセンター(FC)
所在地:神奈川県相模原市
延床面積:約15万m2
フロア構成:5階建て(1階は入荷出荷エリア等、2~5階はアマゾンロボティクスによる商品保管エリア)
商品保管容量:約150万立方フィート
商品の入荷数・出荷数:約65万個/日
商品在庫数:2000万個以上
商品の発送先:全国
相模湖FC開設による雇用機会創出量:数千人以上(エリアマネージャー、職場の安全・衛生管理者、商品の品質管理者、設備の保全管理者、テクノロジーを使って商品のピッキング・梱包・出荷作業等を担うポジションなど30種類以上)
稼働人数:数百人/日
稼働時間:24時間

 

 

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