プロロジスは6月2日、最新のマーケットレポート「Eコマースブームは続く:物流不動産への影響」を発表し、同日より同社ウェブサイトに日本語版を掲載すると発表した。
レポートでは、コロナ禍後の消費者行動の変化を背景に、Eコマース市場の進化とそれに伴う物流不動産への影響を多角的に分析している。
調査結果から特徴を挙げると、Eコマースは2024年の米国小売売上増加部分の56%を占め、前年比 8.0%増加一方、実店舗販売は 1.8%の増加にとどまった。
米国における物流スペースの稼働面積は過去5年間で12%増加。同期間に小売事業者の店舗スペースは 2.4%縮小。小売事業者は店舗戦略・不動産戦略を再構築している。
2024年の物流不動産の新規需要のうち、19%以上を Eコマース企業が占めた。2023年および2017~2019年(コロナ前)の平均である18%を上回っている。
Eコマースは実店舗の3倍の物流スペースを必要とする構造が継続している。2030年までに米国で最大3.5億平方フィート(約3252 万m2)の追加需要が見込まれている。
また、急成長の越境EC企業の米国売上が440億ドル(約6兆6440億円)に達し、物流施設需要が高まっている。
結論として、Eコマースは依然として物流不動産需要の主要因であり、小売事業者はオンライン販売の拡大に対応するため、物流ネットワークの拡充を進めている。Eコマース普及率が上昇するにつれ、企業は配送スピードの向上を目的としてサプライチェーンの再構築を進めており、好立地にある物流施設への需要がさらに高まっている。こうした構造的な変化は、今後も物流不動産市場の形成に大きな影響を与え、デジタルコマースの拡大とともに、堅調な需要を維持する見通しだ。
このレポートは、Eコマースの成長が単なる一過性の現象ではなく、物流不動産の構造的な需要転換をもたらしていることを明らかにしている。
■調査全文
https://www.prologis.co.jp/news-research/researches/250602-e-commerceboom
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