ミニストップはベトナムで、183店舗(2024年9月末)を運営している。人口が1億人を超え、経済成長による生活者の購買力向上にともない、ベトナムでは近代的なコンビニエンスストアの需要が伸びており、同社も今後、積極的な出店を計画している。多品種小ロットの商品を扱うコンビニ経営には、高品質な物流体制が欠かせない。増え続ける店舗を支える同社の保管・配送拠点「New Land Vietnam Japan」の物流センター(ビンズン省)を現地取材した。
<ビンズン省にある「New Land Vietnam Japan」の物流センター>
同社は、2015年双日との合弁でベトナムへの出店を本格開始しており、物流面も双日のインフラを活用。双日、国分グループ、ベトナム大手物流企業New Landの合弁会社「New Land Vietnam Japan」の物流センター(ビンズン省、倉庫面積1万1000m2)を保管・配送センターとして利用している。センター内は、常温・定温・冷蔵・冷凍の4温度帯で管理されている。
同センターのキャパシティは、1万6900パレット(常温1万600パレット、冷凍2100パレット、冷蔵4200パレット)。トラックバースは25台分完備している。
ホーチミン市内まで20㎞(車で30~40分)に位置し、40台のトラックで、常温は1日2往復、冷蔵・冷凍は1日各1便で配送している。
センターは、ベトナムは地震の心配がないため、平屋建てで、天井高が約25m、ラックも6段積みと、日本の物流施設ではなかなか見られない構造だ。
ベトナム人の生活水準が向上するにつれ、冷たいドリンク、チルドデザート、フルーツ、総菜など温度管理が必要な商品の需要も増えているという。
日本でも人気の高いシャトレーゼのプリンやシュークリームも、ベトナムで親しまれており、こういったチルドデザートの需要は今後も伸びると見込む。
なお、10月から、ミニストップは「New Land Vietnam Japan」の新物流センター(ロンアン省)に保管・配送拠点を順次移転している。ロンアンの新倉庫は、ビンズン省の倉庫の約3倍規模の4温度帯センターとなる。引き続き、食品の保管から配送まで温度管理を徹底した近代的なコンビニ物流を実現する。
■New Land Vietnam Japan
設立:2016年
事業内容:4温度帯物流(通関から店舗配送まで)
株主:New Land(ベトナムの物流大手企業)、双日、国分
従業員数:220人
顧客数:25
※2024年9月末現在
■New Land Vietnam Japanビンズン物流センター
敷地面積:2万m2
倉庫面積:1万1000m2
キャパシティ:1万6900パレット(常温1万600パレット、冷凍2100パレット、冷蔵4200パレット)
事業内容:4温度帯(常温、定温、冷蔵、冷凍)物流
対応可能温度帯:常温(室温)、定温(10~25℃)、冷蔵(0~10℃)、冷凍(-25~0℃)
取扱品目:食品(スナック、チョコレート、チーズ、ミルク、ヨーグルト、総菜)、飲料、アルコール、種子、魚のえさ
アクセス:ビンズン港から1㎞
ホーチミン市内まで20㎞(車で30~40分)
カトライ港(南部の主要港)から10㎞
■New Land Vietnam Japan ロンアン物流センター
敷地面積:5万8000m2
延べ床面積:3万6000m2
キャパシティ:3万9000パレット
事業内容:4温度帯(常温、定温、冷蔵、冷凍)物流
対応可能温度帯:常温(室温)、定温(10~25℃)、冷蔵(0~10℃)、冷凍(-25~0℃)
アクセス:ホーチミン中心地より約30km(車で1時間半~2時間)
取材・執筆 鹿野島智子
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