フクダ・アンド・パートナーズ、プロロジス、ヤマト運輸、NTT東日本、福島県郡山市の5者は10月20日、福島県郡山市に竣工した「福島郡山LLタウン」で、「災害時における避難者支援・指定避難所等の協力及び物資等の緊急輸送等に関する協定」の締結式を開催した。
「福島郡山LLタウン」は、フクダ・アンド・パートナーズとプロロジスが開発した広域物流・防災拠点で、今回はタウン内の1棟目となるB棟(タウン棟)が竣工した。
協定は平時の「人の暮らしを支える物流施設」と、災害発生時の「人の命を守る防災機能」を融合させ、産学連携による地域防災を実現するために締結された。
協定締結式でフクダ・アンド・パートナーズの福田哲也 社長は、「東日本大震災で、モノを届けることがどれだけ人の命を助けることにつながるかを痛感した」と述べた上で、郡山は複数の高規格道路の結節点になっているだけでなく、港湾や空港にも近く、東日本のみならず広域へのアクセスに優れていると強調。
広域防災連携拠点と位置付けるにふさわしい立地であることから、連携体制の構築に向けてプロロジスの山田御酒 会長兼CEOに相談を行ったことを明らかにするとともに、「ヤマト運輸の入居によって魂が込められ、NTT東日本に協定に加わってもらうことで情報を提供してもらい、適切にモノを運ぶ体制が整う」との認識を示した。
LLタウン内にマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク郡山1」を共同開発しているプロロジスの山田御酒 会長兼CEOは、「地域との共生」を掲げこれまで全国14の自治体と防災などに関する協定を結んできたことを紹介。
その上で、来年2月にはLLタウン内で「プロロジスパーク郡山2」の建設に着工することを明らかにし、新たな入居企業にも協定に参加を呼びかけて「物流プラスアルファ」のモデルケースに育て上げていくとのビジョンを示した。
タウンB棟に「郡山ロジセンター」を開設するヤマト運輸の持ち株会社であるヤマトホールディングスの長尾裕 社長は、来年50年を迎える宅急便はサービス開始当初から郡山に拠点を構え、現在もターミナルと営業所8か所、約750人のスタッフで、郡山市内の宅急便サービスを展開していることを説明した上で、宅急便の福島ベースや福島・郡山主管支店が1年後にLLタウン内に移転することで、地域の防災と宅急便の全国ネットワーク機能がつながるとの考えを示した。
郡山市の椎根健雄 市長は、郡山市では東日本大震災や台風などの影響を踏まえ、防災・減災の取り組みを進めており、今回の協定を大変心強く感謝申し上げたいと挨拶。
NTT東日本の熊谷敏昌 副社長は、同社では4月に防災研究所を設置して防災・減災に関する知見を蓄積していることを説明し、「研究所で得られた知見を郡山での取り組みに注入する」と述べた。
フクダ・アンド・パートナーズ/郡⼭中央SIC⾄近に広域物流・広域防災拠点竣工