JILS(日本ロジスティクスシステム協会)とJIMH(日本物流システム機器協会)は、2010年度の物流システム機器生産出荷統計を発表した。
それによると、2010年度の物流システム機器の総売上金額は、前年対比9.2%増の2954億8900万円となった。売上件数も前年対比11.8%増の6万1723件となった。
2009年度は世界同時不況の影響から設備投資の大幅な減少が起きたが、2010年度はその反動から設備投資には一定の回復が見られた。
一方、2008年度前半の以前の好況時に契約した受注残が2008年度、2009年度の売上高を底支えしていたが、2010年度までにほぼ消化されていたものと考えられる。
これらの要因によって、2010年度売上高は前年度よりも拡大する結果となった。
なお、相対的には、海外向けの売上高、クリーンルーム向けの売上高は堅調。業種別にみると、「電機・精密機器」への売上の回復が目立つ、としている。
また、東日本大震災の影響については、調査の売上金額を「完成基準」で集計しており、物流システム機器の出荷は年度末にピークを迎えることから、遅延で納品ができず、翌期に繰り越されるなどのマイナスの影響も生じている。
一方で、被災した施設の修理・改修・再建等による売上の増加も想定されるが、3月中に改修等が完了したケースはまれで、売上金額への寄与はほとんどないものと見ている。