商船三井は4月23日、次世代船構想「船舶維新」プロジェクトのシリーズ船「ISHIN-III」の中核的要素技術である高効率排熱エネルギー回収システムを、2013年竣工予定の新造大型鉄鉱石専用船に搭載すると発表した。
<装置イメージ図>
CO2排出量を大幅に削減する革新的なプロジェクト「船舶維新」の一環として、名村造船所と共同で「排熱エネルギー回収システム」の検討を進めてきたが、「ISHIN-III」の核となる要素技術の採用となったもの。
要素技術の一つが、排熱回収装置。この装置は、排ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電機で、両者の最適制御により排ガスエネルギーを効果的に回収し、発電することができる。通常航海中には1500kW程度の発電量を見込む。装置は三菱重工業製。
もう一つが加勢モーター。排熱回収装置で生まれた電力を、主機への加勢モーターにより推進力のアシストに利用する。
これにより、従来の大型鉄鉱石専用船と比較し約6%の燃費削減が見込まれ、CO2排出削減に寄与する。
■本船主要目
載貨重量:約25万トン
全長:約330m
幅:約57m
深さ:約25m
喫水:約18m