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日立製作所/トラック用車間距離警報システム、今秋から量産開始

2002年07月25日/未分類

(株)日立製作所 自動車機器グループは、Microwave Monolithic Integrated Circuit(以下、MMIC)チップを高密度実装した高周波モジュールおよび各種回路基板の一体化技術の採用などにより、世界最小、最軽量を実現した76GHzミリ波帯の車載レーダ(以下、本レーダ)を搭載した大型トラック用車間距離警報システムを製品化し、今秋から量産を開始する。
ミリ波帯の車載レーダは、現在先行しているレーザー方式に比べ、波長の長いミリ波を採用していることから、雨や霧、雪など悪天候下においても、距離測定性能が低下しにくく、さらに飛石や汚れに対しても優位性があることから、自動車の安全性を向上させるためのキーデバイスの一つ。
76GHzミリ波帯の車載レーダは、日米欧において、76GHz電波帯域が車載レーダ用に割り当てられたことから、事実上の世界標準になっているが、これまでの76GHzミリ波帯の車載レーダを採用した車間距離制御システムは、高周波回路にガンダイオードを用いることから小型化、低価格化が難しく、欧州や日本メーカーの一部の高級車に使用されている程度であり、トラックや普通乗用車への普及は進んでいなかった。
本レーダは、76GHzミリ波帯の車載レーダの小型化を実現するため、高密度実装したMMIC高周波モジュールを採用、さらに道路状況に対応した様々な信号処理を実行する回路基板の一体化技術を開発することで、世界最小、最軽量 (縦80ミリ×横108ミリ×奥行64ミリ、重量550g)を実現した。
また、76GHz発振器の低雑音化技術、MMICの気密封止技術、送受信器間の干渉を防止する技術などの新技術も同時に開発し、高感度化、高信頼性を実現している。
さらに本レーダは、距離検知方式に2周波CW(Continuous Wave)方式を採用していることから、1m以内の至近距離での検知が可能で、かつ変調周波数幅も300kHz以下と、他のレーダとの干渉も起こしにくい特長がある。
角度検知方式に、二つの受信アンテナとターゲットの距離差を利用するモノパルス方式を採用していることから、機械的にアンテナを振って角度を検知するスキャニング方式等に対して、小型化が容易で信頼性にも優れる利点がある。
今回の車間距離警報システムは、本レーダを搭載したレーダユニットとディスプレイユニットからなり、レーダにより先行車との車間距離をモニターし、先行車に近づきすぎると判断された場合、運転者に対して、音とインジケータにより注意を喚起する。
また、低車速、近距離でも測定可能なミリ波レーダの特長を活かして、市街地の渋滞における低速走行でのうっかりした接近に対する警報も可能とした。
本レーダは、自動車関連機器事業における戦略製品と位置づけ、低コストでの量産化を実現する開発体制と、国内外における営業活動を強化し、ワールドワイドでのトップシェアをめざしており、国内外の自動車メーカーへの採用拡大を図り、2003年度中に月産3 000台の生産体制を整える計画。
また、レーダのさらなる小型化が可能なモノパルス角度検知方式の特長を活かし、さらに自動車の安全性の向上が図ることができる後側方検知用広角レーダ等もラインナップに加えていく予定。

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