商船三井／中間決算

株)商船三井の中間決算の経営成績は下記の通り。
経営成績
中間期の概況
中間期の世界経済は、米国とアジアを中心に景気が緩やかに回復し、完成車、電気機器等の輸出をはじめ、荷動きは比較的堅調に推移。しかしながら、上期においては、荷動きの回復が運賃市況の改善につながらず、同社にとっては厳しい経営環境となった。また、中東情勢の緊迫により原油価格が高止まり、それに伴い船舶燃料油価格も高止まりしたことは、大幅なコスト増加要因となった。
このような環境下、当中間期の連結業績は、売上高4 440億円(前年同期比3.8％減)、営業利益147億円(同60.5％減)、経常利益93億円(同64.5％減)となり、中間純利益は、55億円(同60.5％減)。
同社の業績は、売上高3 440億円(前年同期比3.7％減)、営業利益70億円(同70.2％減)、経常利益71億円(同65.9％減)、中間純利益26億円(同63.3％減)。
セグメント別の売上高及び営業損益については、次のとおり。
1）外航海運業
定期船部門においては、東西基幹航路への大型コンテナ船の投入やアジアを中心とするサービス網の拡充を行なうとともに、積極的な集荷活動を行ない、積取量の拡大を図った。
しかし、運賃率の大幅な下落により、損益は前年同期比で悪化。不定期専用船部門では、自動車輸送台数は米国向けを中心に拡大したが、乾貨物船の運賃・用船市況の低迷が大きく影響し、運航効率化及びコスト削減に努めるも、損益は前年同期を下回った。
油送船・ＬＮＧ船部門では、中長期契約の新規獲得と船隊競争力の強化を行なったが、原油船市況が大きく低迷したため、損益は前年同期より悪化。また、客船事業では、損益は前年同期を下回った。このため、売上高3 630億円(前年同期比5.5％減)、営業利益126億円(同66.7％減)となった。
2）フェリー内航事業
フェリー事業においては、不採算航路の改廃を含めたグループフェリー事業全体の再編の結果、売上高は前年同期を下回ったが、損益は前年同期に比べ大幅に改善し、売上高174億円(前年同期比1.2％減)、営業利益4億円(同－％)。
3）運送代理店及び港湾運送業
コンテナターミナル部門については、取扱量が堅調で、損益はほぼ前年同期並を確保。国内の物流部門については、国内景気の低迷、競争の激化など厳しい環境に晒されたが、コスト削減等の合理化策が寄与し、損益は前年同期に比べ大幅に改善し、売上高387億円(前年同期比2.6％減)、営業利益8億円(同6.1％増)。
4）貨物取扱業及び倉庫業
航空貨物運送業においては、輸出貨物及びアジア域内貨物の荷動きの好調に支えられ、また、コスト削減等の合理化策も寄与し、損益は前年同期を大幅に上回り、売上高218億円(前年同期比6.5％減)、営業利益1億円(同－％)。
5）その他事業
商社部門においては、船用品を中心とする営業基盤の強化を進め、損益は前年同期に比べ改善。
旅行代理店業においては、損益は前年同期を上回った。その他、不動産業、建設業、金融業などがあるが、売上高は366億円(前年同期比19.4％増)、営業利益12億円(同7.4％減)。
通期の見通し
下期については、米国経済をはじめとする世界経済の先行き不透明感が高まっており、特にイラクを巡る情勢次第では、景気回復への影響のみならず、短期的には、燃料油価格や油送船の運賃市況、船舶保険料等に大きな影響が懸念される。
主力の外航海運業については、運賃市況に改善の兆しが見えるが、前述の不確定要素をふまえ、引き続き定期船部門を中心に一層のコスト競争力強化に努めると同時に、資源エネルギー輸送等、今後成長と安定収益が期待される分野へ集中的に経営資源を投入し、同社グループの更なる成長と経営基盤の強化を図る。
通期の連結業績は、コスト削減のほか、定期船部門の部分的な運賃修復効果や配船合理化・航路改編等による採算改善、不定期専用船部門と油送船部門の市況改善を見込み、また、抜本的対策を講じてきたフェリー事業や客船事業での損益改善効果や貨物取扱・倉庫業の収益基盤強化による増益を想定し、連結売上高は9 100億円、経常利益250億円、当期純利益120億円を予想している。
通期は、売上高7 000億円、経常利益210億円、当期純利益80億円を予想している。
本業績見通しにおける下期為替レートは￥120／ＵＳ＄、燃料油価格はＵＳ＄160／ＭＴを前提としている。
なお、上期業績及び通期見通しを勘案し、当中間期の配当は見送り、また、年間配当予想については、通期見通しを前提に、期初発表どおり１株当たり５円を予定。