大日本印刷、田村電機製作所 ／eTRONの非接触読み取りシステム開発

大日本印刷(株)と(株)田村電機製作所は、T-Engineアーキテクチャを採用した携帯情報端末や情報家電に組み込むセキュリティモジュール「eTRON」の非接触読み取りシステムを開発した。
T-Engineは、TRONプロジェクト（代表：東京大学　坂村健教授）が提唱する、携帯情報端末や情報家電向け組込用システムの標準アーキテクチャで、ハードウェアの仕様やOSの仕様を規定することで、一度開発したソフトウェアを再利用しやすくし、情報家電などの機器の開発を効率良く短期間で行えるようにすることを目的としている。
eTRONは、T-Engineアーキテクチャを採用した携帯情報端末や情報家電に組み込むSIMサイズの小型ICカードで、機器同士で相互認証を行い不正な制御を排除したり、有料コンテンツ利用時の課金を行うなどのセキュリティを担う。
eTRONは、機器同士の相互認証や課金などの機能のほかに、異なるeTRON間で、電子マネーや電子チケットといった価値データを安全・確実に移動させる機能も担っている。
具体的な使い方としては、携帯情報端末を使って、チケット販売サイトにアクセスし、コンサートやスポーツ観戦などの電子チケットをダウンロードしてeTRONに格納した後、eTRONを取り出してイベント会場などで利用するという使い方が想定される。
しかし、eTRONは非常に小さな接触型ICカードであり、混雑した場所では、取扱いにくいものとなってしまう。今回開発した、eTRONの非接触読み取りシステムは、接触、非接触両用型ICカードであるeTRON-Dualを、無線通信機能を備えたアダプタに装着し、非接触ICカード用リーダライタでの読み取り／書き込みを行えるようにしたもの。