大日本印刷／指紋認証が可能なICカード「DNP Standard-9 ADVANCE-FP」開発

大日本印刷(株)は、指紋特徴点を取り込み、ICチップ内部での指紋認証を可能とした高機能ICカード「DNP Standard-9 ADVANCE-FP」（以下「ADVANCE-FP」）を開発した。
「ADVANCE-FP」は、新開発のICチップ（16ビットCPU）に、同社製汎用高機能ICカード「Standard-9」のコマンドと指紋認証ソフトウェアを実装したもの。JICSAP1.1コマンドや各種PKIコマンドを実装しているため、電子商取引やネットワークセキュリティなど幅広い用途に利用可能。
ICカードは、第三者による不正使用を防止するため、通常は機能が制限された状態となっており、利用時に、パソコンのキーボード等から入力されたPINをICチップ内部で認証することで、制限された機能が利用可能となるものの、この方式では、第三者がICカードとPINを同時に入手した場合に、不正使用されてしまう危険性がある。
「ADVANCE-FP」は、指紋センサによって読み取られ、パソコンや端末上で処理された指紋特徴点を、チップ内部に取り込み、チップ内部で照合を行う。
ICカードが持つ耐タンパ性により、ソフトウェア的手段、電気的手段、物理的手段などいかなる手段によっても指紋特徴点を取り出すことが出来ず、また、盗聴などによる指紋特徴点の流出を完全に防ぐことが出来る。
情報セキュリティ体制強化のため、企業内におけるパソコンの利用制限やネットワークへのアクセスコントロールにICカードを利用するケースが増えているが、「ADVANCE-FP」を導入することにより、本人以外のICカード利用を完全に排除することが出来、また指紋特徴点の流出もない、より高度なセキュリティシステムを構築することが可能となる。